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no title
「はあ、またか?」
風呂上がりの俺を見たアラタさんは、突然げんなりとした声を上げた。
「なにが?」
「あれから何日経つんだ?」
「だからなにが?」
「お前、したい時にはシャツを着てないんだ。もしかして自覚してないのか!?」
言われて見た自分の恰好に、俺は言葉を失くす。
「あー。でももう一週間近くなるっしょ。」
「まだ一週間経ってないだろ。」
「んー、普通ってどんくらい?」
「俺が知るはずないだろう。」
「だってアラタさんお医者さんじゃん。」
「まだ医学生だ。ましてや俺の専門は小児科だぞ。」
食い下がる俺に、アラタさんは苛ついたように答える。こうなっては恐らく今夜は無理であろう。そうなればこの際ついでだ。
「んー、野沢さんたちってどうしてんすか?」
「知らない。駒澤に訊けばいいだろう。」
「でもアラタさん、みんながどうしてるか知りたくないっすか?」
「べつに。知っても知らなくても変わらないから。」
まったくアラタさんらしいといおうか、我が道を行く恋人だ。
「葉山さんに訊いたことは?」
「葉山の場合は訊くまでもない。」
「なんでそこまで詳しいんすか。」
いくら聡いにしても。
「バカップルは訊くまでもないだろう。」
「いつも思うんすけど、ギイ先輩ってそんなにバカっすか?」
「住人が留守にしている間に、潜り込んでするような奴はばかだろう。」
「は?」
「いずれにせよ、そんなに知りたければ自分で調べろ。俺は関係ない。」
「はあ………。」
つれないといおうか、まことに非協力的な恋人である。
だが、これ以上求めて更に不機嫌になられては、明日以降も同じ状況が続きそうだ。そうなると、アラタさんの機嫌が回復するまでひたすら待つしかなくなる。なので仕方なく、俺は部屋の片隅でパソコンに向かった。
しかし、ネットを開いてもそれらしいページにはヒットしない。
「アラタさん、ネット上にあると思う?」
「なにが?」
「アラタさんが調べろっつったんじゃん。」
言われたアラタさんは暫し考えていたが、みるみるうちに眉間に皺を寄せて立ち上がった。
「くだらなさすぎて検索にも引っ掛かからないんだろ。」
そしてそのままドアを開け部屋を出て行った。
「はあ、またか?」
風呂上がりの俺を見たアラタさんは、突然げんなりとした声を上げた。
「なにが?」
「あれから何日経つんだ?」
「だからなにが?」
「お前、したい時にはシャツを着てないんだ。もしかして自覚してないのか!?」
言われて見た自分の恰好に、俺は言葉を失くす。
「あー。でももう一週間近くなるっしょ。」
「まだ一週間経ってないだろ。」
「んー、普通ってどんくらい?」
「俺が知るはずないだろう。」
「だってアラタさんお医者さんじゃん。」
「まだ医学生だ。ましてや俺の専門は小児科だぞ。」
食い下がる俺に、アラタさんは苛ついたように答える。こうなっては恐らく今夜は無理であろう。そうなればこの際ついでだ。
「んー、野沢さんたちってどうしてんすか?」
「知らない。駒澤に訊けばいいだろう。」
「でもアラタさん、みんながどうしてるか知りたくないっすか?」
「べつに。知っても知らなくても変わらないから。」
まったくアラタさんらしいといおうか、我が道を行く恋人だ。
「葉山さんに訊いたことは?」
「葉山の場合は訊くまでもない。」
「なんでそこまで詳しいんすか。」
いくら聡いにしても。
「バカップルは訊くまでもないだろう。」
「いつも思うんすけど、ギイ先輩ってそんなにバカっすか?」
「住人が留守にしている間に、潜り込んでするような奴はばかだろう。」
「は?」
「いずれにせよ、そんなに知りたければ自分で調べろ。俺は関係ない。」
「はあ………。」
つれないといおうか、まことに非協力的な恋人である。
だが、これ以上求めて更に不機嫌になられては、明日以降も同じ状況が続きそうだ。そうなると、アラタさんの機嫌が回復するまでひたすら待つしかなくなる。なので仕方なく、俺は部屋の片隅でパソコンに向かった。
しかし、ネットを開いてもそれらしいページにはヒットしない。
「アラタさん、ネット上にあると思う?」
「なにが?」
「アラタさんが調べろっつったんじゃん。」
言われたアラタさんは暫し考えていたが、みるみるうちに眉間に皺を寄せて立ち上がった。
「くだらなさすぎて検索にも引っ掛かからないんだろ。」
そしてそのままドアを開け部屋を出て行った。
更新日:2015-09-05 22:44:05