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優しい嘘 (潤side)


♪♪♪~♪~



滅多に鳴らない

俺にとって特別な意味を持つ着信音が鳴った

届いたのは一言だけの短いメール



『今夜空いてる?』



そう・・・



今日は俺の割り込む隙のできる月曜日

だから今日は僅かな期待を胸に

仕事が終ると真っ直ぐ帰宅していた



『もちろん

今日はもう家に帰っているから

何時でも来て』



そう返信すれば

直後にインターフォンが鳴る

このタイミングはきっと・・・



ドアを開ければ案の定

悪戯っ子の表情でニノが立っていた



「潤くん


ドアを開ける時には


ちゃんと相手を確認してからでないと危ないよ?」


「ココのセキュリティは万全だよ

それに、絶対にニノだと思った」


「そう?(笑)」



俺はニノを招き入れ

ドアが閉まると同時に抱き寄せて

その髪に額に頬に

そしてその唇にキスを落とす



「カズ・・・愛してる・・・」


「潤くん・・・」



俺達の秘密の時間のスタートだ・・・



重なる唇

探り合う素肌・・・



息もできない程に求め合って

互いを貪る



でも・・・



ニノが付き合っているのは翔さん・・・

ニノの中にいるのは

翔さんなんだよね・・・



それでも良いと願ったのは俺・・・

それでも受け入れてくれたのはニノ・・・



俺達のこんな不安定な関係は

もう彼此半年

始めの頃は翔さんの顔を見るのが怖かった



それでも

この関係を止められなくて・・・



「ぁ・・・んっ・・じゅ・・・・・」



気分屋のニノは

翔さんの目を盗んで

時折俺の部屋を訪れる



「今日はどうしたの?

翔さんと喧嘩でもした?」


「はぁ・・いやぁ・・・あぁ・・んっ・・・」



身体を揺らしながら

意地悪く翔さんの名前を出す俺



ニノは俺と2人で会っている時に

俺が翔さんの名前を口にするのを嫌がる

まぁ・・普通そうだよな

ましてやこんなコトの最中にさ・・・(笑)



「翔さんと何かあった・・・?」



ニノが嫌がるのをわかっていて

あえてもう一度ニノの耳元で囁く



「・・・はぁ・・なに・・もな・・・い・・・!

あっ・・ぁ・・・じゅ・・いやぁ・・・!」



だけど・・・

ニノはこんな時

すっごく良い反応するんだよね・・・



「やぁ・・・ぁ・・あっ・・あぁ・・・んっ・・・!」



ニノ・・・気付いてる?

ニノは翔さんの名前だけでイケるんだよ?



こんなに翔さんに惚れているクセに

どうして俺なんか相手にするかなぁ・・・



ニノなりの

俺に対しての優しさなのか・・・



俺に抱かれればしばらくは来ないから


自己確認作業なのか・・・



でもまぁ・・・

俺はいつでも大歓迎だけどね



「愛してるよ・・・カズ・・・」



俺の腕の中でぐったりとしている

小悪魔の額にキスを落として抱き上げる



さぁ・・・

バスルームでもう一汗流そうか・・・



ココに居る間は

俺のモノだよ・・・






カズ・・・












更新日:2015-09-02 21:36:12

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