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ホントはね・・・② (ニノside)


「何? 

翔さんが日本にいなくなった途端に

浮気の段取り?」



いつの間に戻ったのか

俺の後ろにJの姿・・・



「・・・人聞きが悪いなぁ・・・

ちょっと遊ぶだけだよ?」



そう・・・ちょっと遊ぶだけ・・・

勘違いするのは相手の勝手・・・



「・・・翔さんはきっと嫌がる

自分が不在の時にニノが他の男の家に泊まったりしたら・・・

そんな事が翔さんにバレたら喧嘩になるよ?」


「・・・かもね・・・」


「だから止めとけよ」


「やましい事なんて何もないもん

止める必要ないでしょ」


「・・・ヒナは・・・きっと期待しているよ?」


「・・・そんな事ないよ

だって・・・ヒナだよ・・・?(笑)」



普通に考えれば

そんな色っぽい関係なんてありえない

Jがどんな心配しても

冗談にもならない相手・・・



「・・・ニノ・・・俺は知ってるよ?

だから・・・」



知ってる・・・?

何を・・・?

俺とヒナの関係を・・・?

それとも・・・



「・・・わかった!

ヒナのトコには行かない

・・・代わりにJが遊んでくれるならね?」


「俺・・・?」


「無理でしょ?

だからほっといてよ」


「・・・良いよ

俺、今夜ニノに付き合う

だからヒナの処には行くなよ」



真っ直ぐに俺を見るJの瞳が

とても真剣で・・・



俺は「わかったヒナのトコには行かない」

としか・・・言えなかったんだ・・・




















「お店はイヤ・・・

誰と会うかわからないしゆっくりできない」



そう言ってJの家に上がり込むと

簡単なツマミと酒を用意してくれた



最初はいつもの様に

仕事の事やゲームの話で盛り上がって・・・



ほろ酔い加減になった頃には口も軽くなって

そして・・・本題・・・



「翔さんに不満があるの?」



本当ならすぐにでも問いたかったであろう

翔さんとのコト・・・



「・・・何? 

Jは俺が浮気してると思っているんだ?」


「違うの?」


「・・・・・・・・・。」


「俺さ・・・見ちゃったんだよね

ニノが相葉さんとキスしてるトコ・・・

他にも・・・まぁ・・・色々と・・・」



あ・・・そっち見られちゃったんだ・・・

で、他にもあるのね?

そしてあの電話聴かれたら・・・

アウトだよねぇ・・・(笑)



「・・・翔ちゃんに不満なんてないよ

翔ちゃんは大好き・・・ずっと一緒にいたい・・・」



これはホント・・・



「じゃあ・・・どうして・・・?」


「怖いから・・・」


「怖い・・・?

翔さんが?」


「違う・・・

翔ちゃんが俺から離れた時

俺が・・・」



・・・翔ちゃんが俺から離れる時がきっと来る・・・

その時俺・・・正気でいられる自信・・・ない・・・



インタビューで将来のコトを話す翔ちゃんを目にする度に

俺の中で何かが壊れていく



翔ちゃんは俺とは違って

何時かは真っ当な道に返る人・・・



「翔ちゃんは何時かきっと俺と別れる・・・

そう思っただけで堪らなく不安で

怖くて・・・」



持て余すんだ・・・

ココロもカラダも・・・

翔ちゃんがいないと俺は・・・



「翔さんには伝えたの・・・?」


「翔ちゃんには言えない・・・」



きっと『仕事上のリップサービスだよ』

って、言うに決まってるし・・・



「鬱陶しい面倒臭いヤツだと思われる

翔ちゃんの負担になるのはイヤ・・・!」


「そんなに想っているならどうして

自分から壊す様なコトするんだよ」


「・・・だって・・・気が付くと自分が自分じゃなくなって・・・

俺の中のもう一人の俺が勝手に動き出しちゃうんだ・・・」



誰かに縋りたくて・・・

誰でも良いから

相手をして欲しくて

俺の中の俺が動き出す・・・



「こんなコト翔ちゃんに知られたら

きっと怒られる処じゃすまないのは解ってる・・・

俺が悪いのも解ってる

その時がきてもこなくても

翔ちゃんに捨てられても仕方ないコトしてるのは俺・・・

でも・・・

もう・・・

自分が止められないんだ・・・」


「ニノ・・・」


「潤くん・・・助けて・・・」
















更新日:2015-09-02 21:13:10

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