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表裏一体⑬ (潤side)
翔さんやニノと現場で会っても
何事もなかったかの如く
通常通りに仕事をこなす相変わらずの毎日
怖い位当り前の日常を送る内に
次第に俺の頭も冷静さを取り戻す
そう・・・
痕さえ残さなければ良い・・・
なんてのは俺の希望的観測で
もう二度とニノの身体に痕を残すような事はするな
ニノに触れるんじゃねぇぞ!
・・・って・・・事だよなぁ・・・
もうニノが俺の部屋を訪れる事なんて
ないのだろう・・・
そう思うと気分が滅入ってしまい
部屋に帰る足取りも重くなって
遅くまで飲み歩いてしまう・・・
だけど月曜日だけは
ありえないと思っていても
そうせずにはいられなくて・・・
真っ直ぐに帰宅する俺がいた・・・
まったく・・・
我ながら諦めの悪い男だよなぁ・・・
だけど今日は
帰ると部屋に明かりが点いていて・・・
恋しくて・・・
会いたくて堪らなかったニノが
ソファーでゲームをしていた・・・
俺はとうとう
幻を見る様になってしまったのか・・・?
「潤くんおかえりなさい
遅かったね」
幻がしゃべった?
「・・・・・・来てたの・・・か・・・?」
「うん」
好きな時に来てと・・・
ニノには合鍵を渡していたけど
ニノはそれを使って
此処で俺を待っていた事なんて一度もなくて・・・
そのカギが使われる事なんて
もう絶対にないと思っていた
なのに・・・
まさかニノが
俺の部屋で待っていてくれるなんて・・・
「お疲れ様
お風呂用意できてるよ?
んっ・・・じゅ・・・」
ニノの頬に手を伸ばして
抱きしめて有無を言わさず口づける
夢でも幻でもない
抱きしめたくて堪らなかったニノの温もり・・・
「・・・潤くん・・・?」
やっと触れる事ができたその細い身体を抱きしめて
俺はしばらくその場から動く事ができなかった・・・
「潤くん・・・?
どうしたの?
何かあった?」
「・・・・・・。」
不覚にも泪が溢れてしまった俺は
ニノにカッコ悪い処を見られたくなくて
貌が上げられなくなってしまったけど・・・
「潤くん・・・?」
「・・・ニノが・・・来てくれたから・・・」
「 ? 俺、いつも来てるじゃない?」
「・・・・・・もう・・・来てくれないかと思ってた・・・」
「どうして?」
「・・・・・・。」
ニノのいつもと何も変わらない
普通過ぎる態度に温度差と違和感を覚える
「潤くん?」
「・・・翔さん・・・」
「翔ちゃん?」
「・・・何も聴いてない?」
「うん・・・?」
翔さんはニノに何も話していない?
どうして・・・?
でも・・・
翔さんは俺達の関係を知っている
この認識に間違いはない
「翔ちゃんがどうかした?」
「・・・いや・・・」
『ニノは翔さんに俺達のコトを話した?
翔さんはいつから知ってるの?』
そうニノに訊きたい
だけど・・・
ニノにその答えを求めたなら
今度こそ此処には来なくなってしまう様に思えて
俺は怖くてその問いを口にする事はできなかった
だけどその一方で俺は確信する
翔さんは今まで通り見逃してくれるだろう
俺がニノを泣かせない限り・・・
おそらくは翔さんも
ニノに捨てられない様に必死なんだ
なら・・・
俺にもまだチャンスはある
翔さん・・・
俺を見逃した事を
後悔する日が来るかもしれないよ?
「潤くん?」
「・・・カズ・・・愛してるよ」
「あ・・・んっ・・・」
俺を見上げたカズに深く口づけて
ソファーの上で絡み合う・・・
俺も翔さんも
この小悪魔に振り回されて
己を見失っていく・・・
でも・・・
それでも俺は・・・
倖せ・・・
翔さんやニノと現場で会っても
何事もなかったかの如く
通常通りに仕事をこなす相変わらずの毎日
怖い位当り前の日常を送る内に
次第に俺の頭も冷静さを取り戻す
そう・・・
痕さえ残さなければ良い・・・
なんてのは俺の希望的観測で
もう二度とニノの身体に痕を残すような事はするな
ニノに触れるんじゃねぇぞ!
・・・って・・・事だよなぁ・・・
もうニノが俺の部屋を訪れる事なんて
ないのだろう・・・
そう思うと気分が滅入ってしまい
部屋に帰る足取りも重くなって
遅くまで飲み歩いてしまう・・・
だけど月曜日だけは
ありえないと思っていても
そうせずにはいられなくて・・・
真っ直ぐに帰宅する俺がいた・・・
まったく・・・
我ながら諦めの悪い男だよなぁ・・・
だけど今日は
帰ると部屋に明かりが点いていて・・・
恋しくて・・・
会いたくて堪らなかったニノが
ソファーでゲームをしていた・・・
俺はとうとう
幻を見る様になってしまったのか・・・?
「潤くんおかえりなさい
遅かったね」
幻がしゃべった?
「・・・・・・来てたの・・・か・・・?」
「うん」
好きな時に来てと・・・
ニノには合鍵を渡していたけど
ニノはそれを使って
此処で俺を待っていた事なんて一度もなくて・・・
そのカギが使われる事なんて
もう絶対にないと思っていた
なのに・・・
まさかニノが
俺の部屋で待っていてくれるなんて・・・
「お疲れ様
お風呂用意できてるよ?
んっ・・・じゅ・・・」
ニノの頬に手を伸ばして
抱きしめて有無を言わさず口づける
夢でも幻でもない
抱きしめたくて堪らなかったニノの温もり・・・
「・・・潤くん・・・?」
やっと触れる事ができたその細い身体を抱きしめて
俺はしばらくその場から動く事ができなかった・・・
「潤くん・・・?
どうしたの?
何かあった?」
「・・・・・・。」
不覚にも泪が溢れてしまった俺は
ニノにカッコ悪い処を見られたくなくて
貌が上げられなくなってしまったけど・・・
「潤くん・・・?」
「・・・ニノが・・・来てくれたから・・・」
「 ? 俺、いつも来てるじゃない?」
「・・・・・・もう・・・来てくれないかと思ってた・・・」
「どうして?」
「・・・・・・。」
ニノのいつもと何も変わらない
普通過ぎる態度に温度差と違和感を覚える
「潤くん?」
「・・・翔さん・・・」
「翔ちゃん?」
「・・・何も聴いてない?」
「うん・・・?」
翔さんはニノに何も話していない?
どうして・・・?
でも・・・
翔さんは俺達の関係を知っている
この認識に間違いはない
「翔ちゃんがどうかした?」
「・・・いや・・・」
『ニノは翔さんに俺達のコトを話した?
翔さんはいつから知ってるの?』
そうニノに訊きたい
だけど・・・
ニノにその答えを求めたなら
今度こそ此処には来なくなってしまう様に思えて
俺は怖くてその問いを口にする事はできなかった
だけどその一方で俺は確信する
翔さんは今まで通り見逃してくれるだろう
俺がニノを泣かせない限り・・・
おそらくは翔さんも
ニノに捨てられない様に必死なんだ
なら・・・
俺にもまだチャンスはある
翔さん・・・
俺を見逃した事を
後悔する日が来るかもしれないよ?
「潤くん?」
「・・・カズ・・・愛してるよ」
「あ・・・んっ・・・」
俺を見上げたカズに深く口づけて
ソファーの上で絡み合う・・・
俺も翔さんも
この小悪魔に振り回されて
己を見失っていく・・・
でも・・・
それでも俺は・・・
倖せ・・・
更新日:2016-01-20 21:04:25