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3 (翔side)



「おはようございます

昨夜は散々お楽しみだったようで・・・

目の下、クマができてますよ?」



楽屋で顔を合わせるなり

ニノに鋭く突っ込まれる



そりゃそうだ

俺・・・一睡もしてないもんな

でも・・・全然楽しんでないんだけどなぁ・・・(泣)



「はははっ・・・

まぁ・・・」



虚しく笑って誤魔化すも

ニノは何かを感じたようで・・・



「それにしては覇気がありませんねぇ・・・

もっと有頂天になっている

あなたを想像していたんですけど?」


「はははっ・・・」



有頂天・・・

そうだなぁ・・・

昨夜智くんとちゃんと結ばれていたなら

俺は間違いなくそうなっていたんだろうなぁ・・・











昨夜・・・

俺の腕枕で眠る

智くんの口からは時々



「うふっ・・・」



とか



「はぁ・・・」



とか



「あんっ・・・」



とか・・・

そんな悩ましい声が漏れて・・・



しかも俺は抱き枕の様に扱われて

智くんの脚が俺の身体に絡まったり

腕が俺の首に巻き付いてきたりして・・・



俺の顔に智くんの息がかかった時には

もう・・・限界だった・・・

そんな状況で眠れる訳がないだろう?(泣)










「翔さん・・・大変失礼かもしれませんが

昨夜は不発に終わったんじゃないですか?」



「!?」


「図星でしょ?

大体あなたが想いを遂げていて

そのテンションはありえませんからね」



智くんとはまた違った人を魅了する

悪魔の微笑みのニノ・・・

俺の心の内なんて全てお見通しです・・・って貌してるよ



「すみませんねぇ・・・

仕込んでおいてあげられなくて」



意味あり気にニヤリと笑うニノに

背筋がぞっとする



「な、なにを・・・」


「何度か挑戦してみたんですけど

智はずっと、どっかの誰かさんに夢中だったので

流石の私も躊躇してしまいましてねぇ・・・」


「何だよそれ・・・」


「しかもあの人

とんでもなく無邪気なものですから

巧くかわされちゃって・・・」



ニノ・・・俺の智くんに何を仕掛けたんだ!?



「あれ・・・翔さんの為に貞操を守っているのかと思って

その想いを尊重したんですけど・・・

もしかしてあれって地だったんですね?(笑)」



此処までくると

もう可笑しくて堪らない

と、言った感じのニノを横目に

俺はもう気が気じゃない



ニノがこれじゃ松潤だって

智くんに何を仕掛けているのやら・・・



「だから翔さん

これから大変ですよ?

あの人マジで無知ですから」



ニノのマジな貌に

途方もない試練が待っているような気がした・・・















「おはよ~♪」


「智~♡ おはよ~♪」



今日は一番の仕事が別だった

智くんが上機嫌で楽屋に到着すると

ニノも今までの険しい貌を一変させて

極上の微笑みを見せる



だけど俺は

智くんの姿を確認してパニックに陥る



「おはよ・・・・・さ、さ、智くん・・・?」



あろう事か


智くんは松潤に肩を抱かれて楽屋に入ってきたんだ(泣)



「あ、翔さんおはよ」



松本~!


その挑戦的な眼は何だ~!?(泣)



「Jと一緒の現場だったんですか?」


「うん♪

さっきまでね

テレビ誌の撮影で一緒だったの♪」



毎回ペアで

色々な事をさせられるあれか・・・

それにしたって・・・(泣)



「潤くんがリードしてくれて

とってもやり易かった♪」


「何をしたんですか?」


「ふふっ♡

発売日までヒミツ♪」


「まぁ・・・何でも良いですけどね

楽しそうで何よりです」



談笑する2人を横目に

俺の頭の中は智くんの

『潤くんがリードしてくれて・・・』

の、台詞がこだまして離れない・・・



あぁ・・・智くん!

まさか・・・まさか・・・

松潤にベッドの中でまでリードされては・・・(泣)



「智は何をしても筋が良いから

何をしても一緒にできると楽しいよな♡」


「え~潤くんが何でもできて

おいらを助けてくれるからだよ~♡」



ソコ~~~~~!!

其処で見つめ合うな~(泣)

頬を染めるな~(泣)



智くん~~~~~!

あなたは俺の恋人じゃなかったのぉ~!?(泣)









更新日:2015-08-20 09:24:53

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