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過去の亡霊たち 【中学生の彼女と大人の彼】シリーズ

トゥルルルル、トゥルルルル、トゥルルルル────

「んっ、あー、うっせぇな。誰だよ……」

そこは高級ホテルのセミスイートルーム。
先ほどから部屋に備え付けられた電話のベルがうるさく鳴り響いている。

キングサイズの大きなベッドを一人で独占して眠っていた工藤新一が、
寝ぼけ眼でベッドサイドのデジタル時計を確認すれば、まだ朝の八時少し前だった。

「おいおい、まだ八時じゃねーか。なんだよ、こんな朝早くから」

世間一般と違い、変則的な職業についている新一にとっては午前八時と言えば、
まだまだ目を覚ますには朝早い。

新一は電話を無視してもう一度眠りにつこうと試みたが、
電話のベルは鳴り止むことを知らず、彼の睡眠の邪魔をする。

「クソッ……いったい、誰だ?」

悪態をつきながら、ようやくベッドサイドの受話器を取り上げる。

「はぁい、もぉしもし……」

新一は不機嫌さを全く隠そうともしないダルそうな声で電話にでた。

『どうもすみません、おやすみのところ起こしてしまって……』

電話の相手も新一の機嫌の悪さを察してか、恐縮したような声で話を始める。

『新一さんですか? 伊達ですけど……』

ただいま人気急上昇中の若手俳優である工藤新一の睡眠の妨害をしたのは、
彼のマネージャーをしている伊達友也(ゆうや)だった。

「なんだ、伊達さんか……。今日の撮影は午後からだろう。
どうしたんだよ、まだ八時だぜ」

新一は四日前から新春に放送される時代劇のロケのために京都へ来ていた。

そして、本日の新一の撮影入りは午後からの予定。
マネージャーの伊達が新一を起こすにしてもまだ早すぎる。

更新日:2017-08-16 00:05:02

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