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高校生の彼女と大人の彼 in the day

* ご注意……時系列的には俳優・工藤新一結婚報道より前、
灰原哀が帝丹高校に上がってすぐの頃のお話です。

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土曜日曜の週末と言えば学校や一般的なサラリーマンは休みとなるのだが、
俳優である工藤新一には世間の休日や祝日などほとんど関係がない。

しかし、一緒に暮らす彼女はまだまだ学生だったので、
多少は新一も週末は世間が休みであることを頭の中で意識しながら、
俳優業をこなしている。

工藤新一の個人事務所の副社長兼マネージャーである伊達友也にも、
なるべく彼女──灰原哀の学校の休みに合せて、
仕事のスケジュールを調整してくれるように頼んではいるのだが…………
これがなかなか思い通りにはオフがもらえない。

そんな訳で今週末も土曜日だというのに俳優・工藤新一は、
郊外でのドラマのロケのために早朝から出掛けなければならなかった。

ピピピピピッ……ピピピピピッ……ピピピピピッ……

寝る前にセットしておいた目覚まし時計の電子音が次第に音量を上げながら、
工藤邸の寝室に鳴り響いている。

灰原哀が先に大きな音に気づいて目を覚まし、目覚まし時計を止めると、
隣に寝ている工藤新一を揺り起こす。

「工藤くん、起きて……時間よ!」
「んっ、んー、哀、あと少し……寝かせてくれ……」

新一はそう言って哀を腕の中に抱きしめ、再び目を閉じようとする。

「ダメよ、工藤くん……もう時間がないわよ」

一向に起きようとしない新一に哀は仕方なく彼の両頬を指で摘まむと、
ムギューっと横に目いっぱい引っ張った。

「ウギャ、イテッー!」

新一が痛みでようやく目を開ける。

「やっと目が覚めたようね。
工藤君、急がないと出かけるのにギリギリの時間よ」

「つーか、オメーさ、もうちょっと優しく起こせよー。
俳優は顔が命なんだぜ?」

毎回、毎回、哀の起こし方は少々手荒い。
彼女が優しくしたところで起きない新一が悪いのだが……。

「バカ! 起こしてもらえるだけありがたいと思いなさいよ。
いま何時だと思ってるの?」

時計を見れば、まだ朝の四時。

俳優の新一には世間の休みも関係なければ、
撮影となれば早朝だろうが深夜だろうが時間も関係なかった。

更新日:2017-01-27 17:52:03

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秘密のふたり シリーズ1 【コナンで新一×哀】