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「中西さん、六番のビルダーの体つき、どうですか?」
「六番のビルダーの筋肉は、悲しい筋肉なのです(泣)。あはーはーん(泣)。彼は、A定食が売り切れてて、150円高いB定食を頼まざるを得ない状況になるたびに筋トレしてきたのです。彼の筋肉は、A定食を食べたいのに妥協し続けてきたことの証。悲しい筋肉なのです(泣)」
「別に悲しくないしな。B定食を食うたらええねん。A定食を多めに作るように定食屋のオバハンに言うてみるとかさぁ。色々あるやん。それを、なんか、口に出して言わずに、筋トレして恨みをはらす、みたいな、そういう怨念みたいな筋トレ、気持ち悪いけどな。俺は。大体さぁ、A定食を食べたいけど妥協し続けてきたことの証ってお前は言ったけどさあ、B定食のほうが150円高いんやろ?ほな、ほんまは、豪華なB定食のほうがええねんけど、妥協してA定食を食べたいわけやんか。だから、妥協し続けてきたことの証でもなんでもないねん。単なる、ケチで、ちょっと金が余分にかかると思うと、むかついて勝手に筋トレしてるきしょいやつやねん。きしょい筋肉やねん、あいつの体は」
「あんまり、そんなん言うなって。もっときしょいやつ、世の中には、いっぱいおるし」
「どんなやつ?」
「大人になってから母乳を飲みたがるやつとか」
「おらんし!そんなやつ!ほんで、そんなやつとくらべてもらって勝っても六番のビルダーは嬉しくないし!」


わぁーっ!わぁーっ!いいぞーっ!いいぞーっ!

六番の筋肉、切れてる、切れてるーっ!




「さて、中西さん、七番のビルダーの筋肉、どう思います?凄まじい筋肉で、優勝候補かと思うのですが」
「あーっはっはっはっ!お腹痛い!面白い!面白い!七番のビルダーの筋肉は、面白い!面白い筋肉なのです!」
「急になんやねん、こいつ。何がおもろいねん」
「七番のビルダーは、美しさを求めて、整形手術を繰り返し過ぎた女の鼻が、ポロリと地面に落ちるのを見るたびに筋トレを繰り返したのです。彼の筋肉は、整形手術を繰り返し続けた女の鼻がポロリととれ続けたことの証ーっ!いーっひっひっひっ!くききききーっ!おもしろーい!たのしーい!」
「何がおもろいねん、きしょいわぁ、こいつ。そんなもん見る機会ないし、絶対普通にそれ以外で鍛えてるやろ、こんなやつ」
「くききききーっ!おもしろーい!鼻、たくさんとれたことの証ーっ!うひょーっ!」



わぁーっ!わぁーっ!いいぞーっ!いいぞーっ!

ざわわ、ざわわ、ざわわーっ!



「さて、中西さん、八番のビルダーの体、どうでしょうか?」
「うっ(泣)、うっ(泣)、うっ(泣)。八番のビルダーの筋肉は、悲しい筋肉。悲しい体なのです。彼は、『お前、ガリガリやなあ』と言われるたびに、筋トレをしてきたのです。彼の筋肉は、ガリガリと罵られてきたことの証なのです(泣)」
「あー、だから、中肉中背の普通の体なんですね、今は」



わぁーっ!わぁーっ!そんな、普通の体型のやつ出るなーっ!わぁーっ!わぁーっ!


八番が出れるんやったら、俺でも出れるわぁーっ!わぁーっ!わぁーっ!

更新日:2015-07-28 18:35:45

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