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十月 工藤一家のハロウィン 後編
いよいよ帝丹みらい幼稚園のハロウィンパーティー当日──
幼稚園で指定された通りに工藤新一はドラキュラに、志保は魔女の姿に仮装する。
そして、アイリは真っ赤なドレスに悪魔の耳と尻尾をつけて可愛いらしい悪魔ちゃんに、
コナンは真っ白いスーツに頭には金色のエンジェルリングを乗せて、
背中には白い羽をつけた天使に仮装すると、一家揃って帝丹大学へと出掛けていく。
帝丹みらい幼稚園は帝丹大学傘下の教育施設の一つで、
近年、新しい幼児教育を目指して新設された中規模幼稚園。
スクールバスによる送迎があることと、新一も志保も帝丹には縁が深いということで、
アイリの幼稚園をここに決めた。
今日のハロウィンパーティーは同じ系列である帝丹大学内の特別ホールを借りて行われる。
ハロウィンパーティーといっても幼稚園の行事の一環で、
あくまでも主役は帝丹みらい幼稚園に通うアイリら幼稚園児たち。
そこで保護者ら家族は特別ホールの後ろに設けられている即席の観覧席で、
幼稚園児たちのハロウィンパーティーの様子を見守る予定だ。
園児は総勢百名ほどで、観客席にはその家族ら二百人以上が詰めかけていた。
子供達に急かされるように早々と家を出た工藤一家は、
観覧席の最前列の端に三席を確保すると、新一と志保の間にコナンを座らせた。
「いいか、コナン! 今日はオメーは天使だからな。
天使はとてもいい子なんだぞ。だから、オメーも大人しくいい子にするんだぜ」
と、新一がしっかり言い聞かせれば……
「うん、パパ!」
コナンが大きな声で返事をする。
「あら、今日のコナンはパパにもとっても素直に返事をするのね。
本物の天使みたいじゃない? 可愛いわね」
志保が息子を褒めてやれば、新一が……
「見かけだけな」とボソッと呟いた。
すでにコナンの目は初めてのハロウィンパーティーにキラキラと輝いている。
「もう心配し過ぎよ。コナンを信じてやりなさいよ」
「へーへー」
幼稚園で指定された通りに工藤新一はドラキュラに、志保は魔女の姿に仮装する。
そして、アイリは真っ赤なドレスに悪魔の耳と尻尾をつけて可愛いらしい悪魔ちゃんに、
コナンは真っ白いスーツに頭には金色のエンジェルリングを乗せて、
背中には白い羽をつけた天使に仮装すると、一家揃って帝丹大学へと出掛けていく。
帝丹みらい幼稚園は帝丹大学傘下の教育施設の一つで、
近年、新しい幼児教育を目指して新設された中規模幼稚園。
スクールバスによる送迎があることと、新一も志保も帝丹には縁が深いということで、
アイリの幼稚園をここに決めた。
今日のハロウィンパーティーは同じ系列である帝丹大学内の特別ホールを借りて行われる。
ハロウィンパーティーといっても幼稚園の行事の一環で、
あくまでも主役は帝丹みらい幼稚園に通うアイリら幼稚園児たち。
そこで保護者ら家族は特別ホールの後ろに設けられている即席の観覧席で、
幼稚園児たちのハロウィンパーティーの様子を見守る予定だ。
園児は総勢百名ほどで、観客席にはその家族ら二百人以上が詰めかけていた。
子供達に急かされるように早々と家を出た工藤一家は、
観覧席の最前列の端に三席を確保すると、新一と志保の間にコナンを座らせた。
「いいか、コナン! 今日はオメーは天使だからな。
天使はとてもいい子なんだぞ。だから、オメーも大人しくいい子にするんだぜ」
と、新一がしっかり言い聞かせれば……
「うん、パパ!」
コナンが大きな声で返事をする。
「あら、今日のコナンはパパにもとっても素直に返事をするのね。
本物の天使みたいじゃない? 可愛いわね」
志保が息子を褒めてやれば、新一が……
「見かけだけな」とボソッと呟いた。
すでにコナンの目は初めてのハロウィンパーティーにキラキラと輝いている。
「もう心配し過ぎよ。コナンを信じてやりなさいよ」
「へーへー」
更新日:2017-12-09 11:43:31