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八月 工藤一家の夏休み 後編
志保も手伝って夕食のハンバーグが完成すると、
いつものように家族四人で仲良く食卓を囲む。
志保が少々気後れしながらもソースを絡めずに、
コナンが砂糖を入れたというハンバーグを口に入れてみる。
「あら? 美味しくできてるわよ」
「えっ? そうか」
新一もハンバーグを一口食べてみた。
「ほんとだ。いつもと変わらねーな。ていうか、上手いな。
コナン、たいして砂糖を入れなかったんだな」
ひき肉を入れたボールの周りにも床にも大量に砂糖が散らばっていたが……。
「パパ、美味しいよ!」
アイリも新一の料理を褒める。
「アイリ、ありがとな」
新一は隣に座るアイリの頭を撫でてやる。
そんな中、志保がまるで何かを閃いたように声をあげた。
「そうだわ、わかったわ!」
「何だよ、突然、大きな声を出して……」
「貴方の料理はいつも塩分が効いてるでしょう。
だから、コナンは貴方の料理に砂糖を入れたのよ」
新一の料理はいつも味が濃くて子供が食べるにはしょっぱいのだ。
コナンはそれを理解しているから、新一の料理に砂糖を入れて甘くしようとしたと……
志保は主張する。
「はあ? まさか、ありえねーよ。コナンはまだ二歳だぞ?
そんなこと思いつくわけねーだろう」
「あら、だって、今日の味付けは貴方にしては絶妙じゃない?
それにコナンはとても頭の回転の早い子よ。
賢いところは私に似たのね。ねえ、コナン……そうよね?」
志保はそう言いながら、隣で子供用の椅子にちょこんと座るコナンの顔を覗き込む。
すると、コナンがママを見上げて……
「うん、ママ!」
元気よく頷いた。
「ほらね、やっぱり……コナンは私に似て頭がいいのよねぇー。
パパと違って料理の才能もあるわね」
志保がニコッと微笑んでコナンの頭に手を置いた。
どこまで理解しているのやら──
ママの笑顔にニコニコ顔で応えるコナン。
「うん、ママ、しゅき!」
楽しそうに意気投合している母子を見て、新一はやってられねーとばかりに嘆息する。
「はあー、いつもは俺に似て困ったわ、困ったわと文句を言ってるくせによ……」
「あら? いま何か言ったかしら?」
「いいや、何でもねーよ」
ここで志保に逆らうと必ず後で仕返しされるので、新一は大人しく引き下がった。
いつものように家族四人で仲良く食卓を囲む。
志保が少々気後れしながらもソースを絡めずに、
コナンが砂糖を入れたというハンバーグを口に入れてみる。
「あら? 美味しくできてるわよ」
「えっ? そうか」
新一もハンバーグを一口食べてみた。
「ほんとだ。いつもと変わらねーな。ていうか、上手いな。
コナン、たいして砂糖を入れなかったんだな」
ひき肉を入れたボールの周りにも床にも大量に砂糖が散らばっていたが……。
「パパ、美味しいよ!」
アイリも新一の料理を褒める。
「アイリ、ありがとな」
新一は隣に座るアイリの頭を撫でてやる。
そんな中、志保がまるで何かを閃いたように声をあげた。
「そうだわ、わかったわ!」
「何だよ、突然、大きな声を出して……」
「貴方の料理はいつも塩分が効いてるでしょう。
だから、コナンは貴方の料理に砂糖を入れたのよ」
新一の料理はいつも味が濃くて子供が食べるにはしょっぱいのだ。
コナンはそれを理解しているから、新一の料理に砂糖を入れて甘くしようとしたと……
志保は主張する。
「はあ? まさか、ありえねーよ。コナンはまだ二歳だぞ?
そんなこと思いつくわけねーだろう」
「あら、だって、今日の味付けは貴方にしては絶妙じゃない?
それにコナンはとても頭の回転の早い子よ。
賢いところは私に似たのね。ねえ、コナン……そうよね?」
志保はそう言いながら、隣で子供用の椅子にちょこんと座るコナンの顔を覗き込む。
すると、コナンがママを見上げて……
「うん、ママ!」
元気よく頷いた。
「ほらね、やっぱり……コナンは私に似て頭がいいのよねぇー。
パパと違って料理の才能もあるわね」
志保がニコッと微笑んでコナンの頭に手を置いた。
どこまで理解しているのやら──
ママの笑顔にニコニコ顔で応えるコナン。
「うん、ママ、しゅき!」
楽しそうに意気投合している母子を見て、新一はやってられねーとばかりに嘆息する。
「はあー、いつもは俺に似て困ったわ、困ったわと文句を言ってるくせによ……」
「あら? いま何か言ったかしら?」
「いいや、何でもねーよ」
ここで志保に逆らうと必ず後で仕返しされるので、新一は大人しく引き下がった。
更新日:2017-12-08 17:58:45