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星に願いを

「えらいぞ、よく頑張ったね」

さらさらの黒髪を撫でながら僕が言うと
瞳をキラキラと輝かせて少年が微笑んだ。


「それじゃあ また来週ね」


「うん 先生またね」


幼い子供のように手を振って
元気な笑顔を見送った。


窓辺の椅子に座って
窓の外を見ると
相変わらずの灰色の世界が広がっていた。


もう随分と長いこと
青空も陽射しも見られない
梅雨特有の天気が続いていた。





ギイのおかげで
トラウマだった痛みは
過去のものになったけれど


それでもやはり
これだけ雨が続くと気分が沈む。


無性に

逢いたい


そんなわがままな事を
思うのはこの冴えない気分のせいなのか


それとも今日が7月7日
七夕だったりするせいだろうか

どっちにしても
叶わないって事は
十分にわかっているから
ため息をついて苦笑するしかない。

更新日:2015-07-08 00:16:45

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