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家庭崩壊を食い止めた私の脱皮

アルツハイマーの義父の介護について、主人はとても協力的です。と言うか、率先して携わってくれます。
介護をしておられる方は、そのストレスは勿論の事、家族に対しても不満やストレスを抱いていている事が多々あると思います。
我が家の場合も、初めから上手くいっていたわけではありません。
 
 私は、受診を決意する2年程前から、義父の変調に気付いていました。
その頃、義父はまだ65歳で、まだまだ心身共に現役の、頑固なじいさんでしたので、こちらも変に動けません。
「最近じいちゃん、忘れっぽいみたいやで」
と主人に言っても
『ふ~ん』
と返ってくるだけ。
“今日はこんな事があってん” と話すと、睨み付けられる始末。
そんな状態ですので、主人にはほとんど何も相談できないままに月日が経ち、とうとう他人さんに迷惑がかかるような事が起きました。
これから色んな事に注意し合う必要がある事を理解してもらおうと、その日にあった事を話すと、
『だから、俺にどうせぇ言うんじゃ!!』
と大声でキレられました。
 こんな事が、いっぱいありました。本当に何度も・・・。
情けなくて涙が止まりませんでした。 
主人に反抗できず、自分の気持ちをぶつける事も、大きな声で反論する事も、主人に立ち向かう事の何ひとつ出来なかった私は、義父がアルツハイマーになってから、何度も脱皮をし、今では、「なんやねん」と言うオーラを纏っています(笑)
 初めて私がキレ返した時、主人は、口をあんぐり開けたまま暫く固まっておりました。
何せ、急に“天から何かが降りてきたかのように”私の口からは、よくもまぁ~ペラペラと早口で、時に汚い口調で、それまでの私の気持ちが、飛び出したのですから(笑)
 
 結婚して16年が経っての事です。


 そんなこんなで、義父の介護のおかげで、初めて主人に反抗する事ができました。
それまで、主人の常識の中に閉じ込められ、主人の常識の中でしか生活できなかった私が、 殻を破って外の空気を肺いっぱいに吸った気分でした。
脱皮です!!
 
 私だって言う時は言うんです。
私にだって、私があるんです。

あなたが法律じゃないんです。
私にだって心はあるんです。


    感じたことを 感じたままに 口にできたら
    どれだけ楽だろう

    僕の生きてる この世界は
    悲しむ心に嘘をついて
    色のない笑顔をつくる

    思ったことを 思ったままに 口にできたら
    どれだけ楽だろう

    僕の生きてる この世界は
    汚れたものを見ないで
    美しきを語る  
  
    僕が僕であることも
    すべてが嘘になってゆく


更新日:2015-07-16 21:39:14

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