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適当に口腔ケア

アルツハイマーになると、言葉を理解できなくなるんです。
結構はやい段階からでした。
見た目にはまだまだ元気そうだし、ちゃんと色々出来る事もあるので、こちらとしては、余計に困惑します。
 さっきできたやん!とか
 ふざけてんのか!とか
 ウケ狙いかよ!とか
ツッコミどころ満載です。
具体的に言いますと、
私「服、着替えようか」
義父『キガエル??』
私(服を見せて)「コレ、着るの」
義父『キル??こう・・斜めに(ハサミを使うしぐさ)切るの??』
切ってどないするねん(-_-メ)
絶対わざと・・でしょ!?
とか
私「歯磨きしましょう」
義父『ハミガキ??』
私「ほら!(歯を磨く真似しなが)こうやって、ゴシゴシって」
義父『ゴシゴシ、ゴシゴシ、ゴシゴシ、ゴシゴシ・・・』
ゴシゴシって、口で言うてどないすんねん(-_-メ)
絶対わざと・・でしょ!?

 正気に違いない!
何度思った事か。

 そんな口腔ケアも病気が進んでくると、一苦労になってきます。
初めの頃は「入れ歯外してや」とか「はい!磨きましょう!」とか、なんとなく伝わって、その通りしてくれていたけど、その内自分では入れ歯のつけ外しが出来なくなりました。
なるべく自力で出来るようにとゆっくり待ちましたが、入れ歯を入れる方向が分からず、(どう見てもそれは無理やろー!)というような形にはめようとしたり、水道の蛇口にはめようとしたりしました。
まるでコントです。
歯ブラシを渡すと、洗面所を磨きだすし(悪いな~汚れてて)。
子供がちっちゃい頃、保育園で見た事がある光景です。

中期以降は、入れ歯を外して何処かへやってしまう事が多くなり、
ショートステイ先などでは、食事の時だけつけるようにして下さっていても、 ちょっとした隙に、ゴミ箱やポケットに入れてしまう事が発生しました。壊れて修理したり、なくなっては探す、の繰り返しでしたが、とうとう下の入れ歯が何処かへ行ってしまいました。
歯医者にも連れて行きましたが、じっとしている事や椅子に座る事さえ困難で、今は、上下何もつけないまま。最近まで、食事も並食を上手に食べられていました。
私の職場の先輩が、
「入れ歯はお金も手入れもいるから、ゆくゆくは歯茎を鍛えて、何でも歯茎で噛んで食べられるようになりたい」
といつも言っていますが、本当に歯茎は鍛えると何でも食べられるようになるのですね。

 そして、口腔ケアは、残っている3本の歯のブラッシングとうがいになりました。
うがいと言っても、ペッと出すのは段々と出来なくなってきて・・・ゴックン!! と飲んでしまいます。
 
まっいいか!



更新日:2015-08-31 13:55:32

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