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怪奇現象

 我が家の近くには墓地があります。
その昔、新しい道を作る為、墓地を掘り起こし移動させたらしく、今は、墓地がある小高い丘の下を小さなトンネルが通っています。
そんな風にして作ったトンネルには、おばけが出ると言う噂があるんです。
現に車の死亡事故も何件かおきていて、老婆に手招きされたと話す人が何人もいると聞きます。

 そんな話をしていた夜の事です。
息子が怪奇現象を体験したのは。。。

「母親に聞いた話を思い出し、なかなか寝付けずにいました。
 昔は土葬だったろうに、墓地の移動はちゃんと出来たのだろうか。
 せっかく眠っていた霊を安らかに移動出来たのだろうか。
 そんな事を考えながら、やっと眠りに付いた頃、僕の部屋が冷気に包まれた様な感覚がありました。
 嫌な感じがして(あーまた金縛りかな)と思った瞬間、下半身にズシリと重みを感じました。
 目は開けられないかと思いましたが、開けられそうだったので恐々ゆっくり瞼を上げました。
 でも何も見えません。下半身の重みはそのままで、だんだん足も痛くなってきたので、僕は思い切って上半身を起こしました。
 すると見えたのです。
 なんと!!
 じいちゃんが、僕の足の上に正座していたのです」

いや~、さぞかしビックリした事でしょう。
どうしてそんなところに正座を?

これ以外にも、じいちゃんが夜中に息子の部屋に入って行った事は何回もあります。 その度に、息子は「じいちゃん、自分の部屋に行って寝えや」と伝えたそうです。

深夜徘徊のはじまりですかな?


 それと、初めの頃は“過食”に驚かされました。

お土産に貰った10個入りの最中を1~2時間の間に完食してあったり。
カゴに盛った15個くらいのみかんを、これまた2時間程で食べてあったり・・・。
目の届くところに食べ物を置かない様にしても、冷蔵庫を開けて、たくあんをほぼ1本分食べてあったり。お弁当用にとっておいたおかずや、夕飯用に煮てあるおかず、ボールいっぱいのサラダなど・・・。
私が台所から離れている間に、色んなものを食べてありました。
いくら困ったり腹が立っても、病気がさせていることなので、注意する事も愚痴をこぼす事もできませんでした。
常に、こちら側がどうすればいいのか、頭を悩ませていました。
 “過食”の間はまだ、そんな呑気な対応で良かったのですが、食べる事への執着は、やがて“異食”へと進んでいき、目が離せない状態になっていきました。

 色々探しては、食べていたのに、今では、食べる喜び、味わう楽しみもなくなって、栄養を摂るが為のゼリーすら飲み込む事が難しくなってきました。
 お腹空いたな~とか。あ~美味しかったとか。お腹いっぱい!とか。あれが食べたいな~とか。そんな感覚はもうないようです。



更新日:2015-07-12 00:10:57

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