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私はだ~れ!?

アルツハイマーは容赦なく進行していきます。
私達の事も、わかっているのかどうか・・・、という様になってきた頃、目が離せないので、じいちゃんの部屋で一緒にテレビを観ていた夕方のことです。
元気な頃はテレビ大好きで、洋画・時代劇・子供アニメなど、とても一生懸命に画面に向かっていたのに、その頃には、テレビの方を向いているだけ、という感じになっていました。
そして、見るともなく見ているテレビから、急に私の方へ視線を移し、二度見したかと思うと、
『・・・帰り方わからんようになったんか?・・・ん??』
と心配そうに尋ねてくれました。
「わかるからええよ。心配せんで」
と答えると、
『ふーん』
と納得した様子。
私は近所の子供ですかな?
この子は、いつまでわしの部屋でテレビを観とんのや?
と思ったんでしょうね。
本当に不思議です。

 診断から3年が経った頃には、だんだんと家族の事も分からなくなっていきました。
初期の頃は、孫だとは分かるけれども名前が出てこない・・程度でした。
それが、知っている人だけど誰だかわからない・・ようになり。
とうとう、孫が学校から帰ってくると、
「誰かきた!」
と、小声で私に告げ、自室に逃げるように戻る・・というようになりました。
怖がられる様な風貌の孫ではありません。可愛らしい女子中学生です。

 人格が変わったようになった時には、野球のバットを振りかざされた事もあります。

 私達は、いったい、何に見えているのでしょう((+_+))

 じいちゃんの頭の中で、いったい何が起こっているのでしょう。

更新日:2015-07-17 23:14:51

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