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 俺は思わず二度見して、目を疑って、ドン引きした。

 天使がいる。

 ……いや、逆光でそう見えてるだけで、あれは…天使のコスプレをしている誰かだ。

 こんな場所で救世主のつもりなんだろうか……。なんというか、もう少し他の方法がなかったのか問いたいところだ。

 逆光で見えにくいものの、色合いは分かりやすい。短めの白いワンピースに両腕を広げたくらいの大きさの白い羽。あとは想像に容易い黒いロングヘア。

 俺がいる場所から一番近い岩の上で、はだしで、太陽に向かって思いきり伸びをしている。そんなに思いっきり腕を上げて伸びなんかしちゃって、何がしたいんだ。俺はあいにくコスプレの狙ったパンチラには興味ないぞ。パンチラは奇跡的に起こるラッキースケベが至高なんであって……って違う違う。

 俺は頭を振って、思わずため息をついた。何をしにここに来たのやら。目的が迷子になりそうだ。

 ため息を吐き出したので気付いたのか、俺が顔をあげたとき、その天使のコスプレとばっちり目が合った。

 やばい。

 これは面倒なことになるぞ……。

「お前、ここで何してる」

 確かに女の声だけど、見合わない単調なしゃべり方。なりきりかよ、勘弁してくれ……!

 俺は自殺しようと赴いた海で、天使のコスプレのなりきりに巻き込まれた。


更新日:2019-10-31 10:38:09

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