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新しい家

 「ただいま」

小さな声で様子を伺うようにして開けた扉は、

頼りない作りで、

「これが家?」

と、女の子に訊いてみると、

「何!?」

と、女の子のお母さんらしき人が顔を出した。

「死にそう・・・」

「拾ってきたん?」

「・・・こんなに震えてんねん」

「もう!うちは何も飼われへんって言うてるやろ!」

「・・・・」

「はんまに、もう!!お風呂入れるから連れてきぃ」

お母さんは、床をギシギシ鳴らしながら奥へ行った。

女の子は、ランドセルを下ろして、

「やったぁ」

と、零れるような声で囁いた。

 連れて行かれたのは、脱衣所もない様な狭いお風呂。

ペットサロンで洗ってもらうのとは全然違う。

裸になったお母さんは、「こんなに汚れて」

とか言いながら、自分も泡まみれになりながら、手際よく洗ってくれた。

「みゆきー、洗えたよ」

と、お母さんに呼ばれた女の子は、バスタオルを広げて私を包み込むと、

「あぁ~気持ちよかったなぁ、ジミー」

と、自分が気持ち良いかの様に、顔をクシャクシャにした。

どうやら、私はジミーと名付けられたようだ。

「私・・女の子なんですけど・・・」

と言うと

「そうか。気持ちよかったんか!」

と、女の子は、私の鼻に自分の鼻をチョンッとぶつけた。

女の子の名前は、みゆきと言うらしい

更新日:2015-06-29 23:33:49

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