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女の子

赤い傘をさした女の子がしゃがみ込んで私を覗いていた。

「やぁ・・・」

力なく挨拶しても、女の子は何も答えず、じっと私を見つめるだけだ。

こんなに汚れて醜い私を笑いにでも来たのだろうと、うんざりしながらまた目を閉じると、

「お母さんに頼んでみる。大丈夫」

静かな声と同時に、抱き上げられた。

そして、両手と胸で私を包み込んだ女の子は、赤い傘を置いたまま、背中を丸めて歩き出した。

更新日:2015-06-29 23:33:04

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