「・・・何むくれているの？」



顔を見るなりそう言わずにはいられない程

珍しくふて腐れているあなた・・・



尖った唇が愛らしくて

思わずチュッと唇で触れてみると

あなたは真っ赤になって抗議の視線をくれる



「折角美味しいお店教えてもらったから

あなたと一緒に・・・って、思って電話したのに

泣きそうな声で

『家から出たくない』

なんて・・・何があったんですか？」


「・・・何でもないもん」


「ふぅ・・・

『何でもない』って貌じゃないでしょう？

ホントに・・・

どうしたんですか？」


「・・・・・・。」



智の頬を両手で挟み込んで

じっとその瞳を覘き込めば

みるみる溢れる泪・・・



「智・・・？」


「・・・かずぅ・・・おいら・・・」


「うん？」


「おい・・・ら・・・」



泪で言葉が続かない智・・・

泪を零すあなたはとても可愛くて魅力的ですが

また発作が出るとマズイですね・・・



俺は智を包み込む様に抱き締めて

耳元に甘く囁く



「智・・・大丈夫

俺も潤くんも何があっても

どんな時でもあなたの味方です」


「かずぅ・・・」


「あなたを愛していますよ」



応える代わりに

俺にギュッとしがみ付くあなた・・・



不安定な原因はおそらくJ・・・

智はJのドラマを観てしまったんでしょうね

最近Jとゆっくり逢えていない上に

今回のドラマの内容が内容だっただけに

智にはショックだった筈

仕事だと解ってはいても・・・



俺もその辺りが気になって電話したんですけど

間に合いませんでしたね・・・



まぁ・・・

今回のはちょっと濃厚で

あなたには衝撃的だったかもしれませんが

Jは頑張っているんですよ(笑)



昔から女の子を寄せ付けなかったあなたには

わからないでしょうけど

女と言う生き物はああ見えて結構強かで・・・

怖いんですよ

特に女優ってヤツは・・・ね



俺もJも実はもう懲り懲りしている・・・なんて

とてもあなたには言えませんけど・・・(笑)



Jはきっとあなたを想いながら

撮影をこなしているのに違いないのに

無用な心配をするあなたはとても可愛いですよ・・・



俺は泪に濡れるあなたの頬に・・・目元に・・・

そして唇にキスの雨を降らせる



どうか安心して愛しい人・・・

俺は決してあなたを離さないから・・・



多分・・・潤くんも・・・ね？(笑)

　

「智・・・あなたのすべてを愛してます」


「カズ・・・ちょう・・・だい・・・

いっぱい・・・ちょうだい・・・お願い・・・」

　　　　　 　　　　

泪に濡れたその瞳で

震える声で俺を誘うあなた・・・



俺にしがみ付いている

不安定なあなたはとても可愛くて

そして色っぽくて　　

俺の下半身を刺激する・・・



「・・・智が欲しいだけ俺をあげる

潤くんの分も・・・ね？」



体温が上がった俺は少し乱暴に　

智をそのままソファに押し倒して深く唇を重ねた



俺の背中に回され

しっかりと俺の服を掴んだ智の手が

俺に強い不安を伝えてくる・・・



あなたの不安を少しでも拭える様に

俺は何度も何度も繰り返し愛の言葉を囁く



優しく・・・甘く・・・

あなたに安心してもらえる様に・・・



「智・・・愛していますよ・・・

心の底から・・・」



あなたの滑らかな首筋に唇を這わせて　　

徐々に下に愛撫を移せば甘く零れる吐息・・・



「・・・はぁ・・・あっ・・・んっ・・・」

　　

今日でも明日でも　　

とにかく早い内にJに逢わせましょうね　

智が自分で自分を追い詰める前に・・・



「・・・あぁ・・・か・・・ずっ・・・」
　　　

「サトシ・・・俺のすべてであなたを愛していますよ・・・」

　　　　　

油断すると我を忘れて
　　
俺の痕を残してしまいそうになる・・・

　　　

でも今はそれを残さない様に気を付けて

あなたを愛してあげましょうね



この後あなたを抱くであろう

Jの機嫌を損ねないように・・・ね・・・？







　　　






　　　


　　　





俺にしてはいつもより少々激しく抱いた後

眠りに落ちた智に毛布を掛けて　　

まだ収録中であろうJに電話ではなくメールを送る



今の智を浮上させられるのはJしかいませんからね・・・

　　　

でも・・・



すみませんねJ

智を独り占めにしてしまって



あなたにも機会を作ってあげますから許して下さいね(笑)