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2 (ニノside)


俺はJに一旦席を外してもらって

智の呼吸が完全に落ち着くまで智を抱き締めた

久し振りの智の温もりと馨り・・・



俺の・・・還るべき場所・・・



「智・・・」



俺の呼び掛けに応えるように

俺の背中に廻された智の手が俺の服をギュッっと握りしめる



「・・・カズ・・・ごめん・・・おいら・・・ごめん・・・」


「あなたは俺に謝らなきゃいけない事なんて

何一つしていませんよ」



智の頬を伝う泪を拭って額にそっとキスを落とす

誰よりも何よりも大切なあなた・・・

あなたは俺の全て・・・



「あの時・・・

カズの声で振り向いたら

翔くんがカズにキスしようとしてて・・・

あれを見た時

おいらのカズに何すんだよ・・・って思った・・・

翔くんじゃなくて・・・カズが・・・

そうされるのが・・・すごくイヤ・・・だったんだ・・・」



智の手に力が籠る・・・

本当にイヤだったんだね



「智・・・ごめんね・・・俺が隙を見せたから

余計な心配させちゃったね」


「ちが・・・!

おいらの我が儘でカズと距離置いてたのに

カズはおいらのだって・・・勝手に思ってた・・・

おいらにはそんな権利なんて・・・ないのに・・・

おいらカズをいっぱい傷付けて・・・

カズ・・・ごめん・・・おいら・・・・・・」



ポロポロと泪を零すあなた

そんな風に想っていてくれたのが嬉しくて

そんなあなたが堪らなく愛おしいよ・・・



「智、俺の総ては智のモノだよ

最近はちょっとご無沙汰だっただけで・・・

俺はいつだって何があったって智を愛しているよ」



自然に交わされる口づけは

離れていた時間を感じさせない甘さと

ほんの少しだけ泪の味がした・・・



「・・・智、泣かないで・・・?

俺は何時でも智には笑っていて欲しいんだよ?

智が笑っていれば俺は倖せなんだから・・・」


「ダメだよカズ

それじゃダメ・・・カズだって笑ってないとイヤだ・・・

潤くんも・・・翔くんも相葉ちゃんも・・・

みんな笑ってないとダメなんだ・・・」



うん・・・だからあなたは

敢えて俺との距離を置いたんだよね・・・



俺があなただけにのめり込むから・・・

あなたが俺から距離を置いたのは

あなたの愛情・・・俺の自業自得・・・



あなたはいつだって大きな愛で俺を包んでくれていた・・・














更新日:2015-06-23 08:02:14

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