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じゅう
「……。」
ひたすら嫌悪感を露に、フローラは前にいる能天気男、マリウスを見ていた。
「あの、一体、私にどんな御用なのですか?」
…この顔、二度と顔も見たくなかったのに、
てかあの見合いの時に散々啖呵きって暴言吐きまくったのに、何故わざわざ私などに逢いにここに来たのかしら?
まさか、暴言のせいで僕の心が壊れて精神的ダメージを受けたから、私にその賠償をしろというのかしら?!
いやいや、今の様子から見たら、とても心が壊れたような、そんな風には見えないけど…。
「決まってるじゃな〜い。フローラちゃんを迎えに来たんだよ。あ、これフローラちゃんにプレゼント♪」
満点スマイルを浮かべて、マリウスは手に持っていた最悪センスの花束をフローラに渡した。
「迎えにきた、って…?」
思わずその花束を受け取ってしまい、全く悪意の無い彼の微笑みに、だがそれが却って不気味さを感じてフローラは身震いをしてしまった。
「うん、僕の奥さんとしてね。」
「……………はい!?」
「やだなあ、見合いしたあの時に僕、君の事すっかり気に入ったからさ、是非とも僕のお嫁さんになってよ。」
「………!?」
突然の唐突なその告白に、周りにいた野次馬どもはびっくり、ひゅーひゅー冷やかしの声をあげ、ワンダは鳩が豆鉄砲食らったような表情を浮かべ、そしてフローラはただただ絶句していた。
「ち、ちょっと待って!」
暫く絶句していたが、やっと我に帰って手にしていた花束をどん、とテーブルに置いたフローラ。
「ん、何?」
「私、お見合いの時に貴方にはっきりと申し上げた筈です。『貴方のような最低な人間はこちらのほうからお断りします』と。」
するとマリウスはきょとん、とした表情をして、だが直ぐににかっと笑顔になった。
「ああ、それね、僕は全然気にしてないから大丈夫だよ。」
「いや、大丈夫じゃ無くて…、私、貴方と結婚する気は全く無いのです。」
「いやいや、遠慮しなくても良いんだよフローラちゃん。」
…駄目だ。こいつには他人が言う遠慮とか配慮とかそんなものは全く解っていない。
フローラはマリウスとのやり取りにすっかり頭を抱えてしまっていた。
…ああ、この脳内花畑お馬鹿男を納得させるにはどうやって説得したら良いのかしら…。
「ねー、もしかしてさ、君がしがない商人の娘だとか、婚約者に振られたとか、以前娼婦やってたとか、僕と身分が下だからって気が引けているのー?」
「…な!」
いきなりの侮辱に近い言葉にフローラは表情を強張らせてマリウスを見つめた。
周りの野次馬からも彼の発言に驚きと微かな嫌悪の雰囲気が漂ってきた。
「僕はそんなの別に気にしてないよー。だって君可愛いし、娼婦やってたからセックス上手だろうし、童貞の僕に手取り足取り教えてくれるお嫁さんにぴったり…、」
「ふざけないで!私はね、人の気持ちを全く考えない貴方のことなんて大嫌いなの!貴方と結婚するなんて嫌なの、絶対に嫌、なのっ!」
ひたすら嫌悪感を露に、フローラは前にいる能天気男、マリウスを見ていた。
「あの、一体、私にどんな御用なのですか?」
…この顔、二度と顔も見たくなかったのに、
てかあの見合いの時に散々啖呵きって暴言吐きまくったのに、何故わざわざ私などに逢いにここに来たのかしら?
まさか、暴言のせいで僕の心が壊れて精神的ダメージを受けたから、私にその賠償をしろというのかしら?!
いやいや、今の様子から見たら、とても心が壊れたような、そんな風には見えないけど…。
「決まってるじゃな〜い。フローラちゃんを迎えに来たんだよ。あ、これフローラちゃんにプレゼント♪」
満点スマイルを浮かべて、マリウスは手に持っていた最悪センスの花束をフローラに渡した。
「迎えにきた、って…?」
思わずその花束を受け取ってしまい、全く悪意の無い彼の微笑みに、だがそれが却って不気味さを感じてフローラは身震いをしてしまった。
「うん、僕の奥さんとしてね。」
「……………はい!?」
「やだなあ、見合いしたあの時に僕、君の事すっかり気に入ったからさ、是非とも僕のお嫁さんになってよ。」
「………!?」
突然の唐突なその告白に、周りにいた野次馬どもはびっくり、ひゅーひゅー冷やかしの声をあげ、ワンダは鳩が豆鉄砲食らったような表情を浮かべ、そしてフローラはただただ絶句していた。
「ち、ちょっと待って!」
暫く絶句していたが、やっと我に帰って手にしていた花束をどん、とテーブルに置いたフローラ。
「ん、何?」
「私、お見合いの時に貴方にはっきりと申し上げた筈です。『貴方のような最低な人間はこちらのほうからお断りします』と。」
するとマリウスはきょとん、とした表情をして、だが直ぐににかっと笑顔になった。
「ああ、それね、僕は全然気にしてないから大丈夫だよ。」
「いや、大丈夫じゃ無くて…、私、貴方と結婚する気は全く無いのです。」
「いやいや、遠慮しなくても良いんだよフローラちゃん。」
…駄目だ。こいつには他人が言う遠慮とか配慮とかそんなものは全く解っていない。
フローラはマリウスとのやり取りにすっかり頭を抱えてしまっていた。
…ああ、この脳内花畑お馬鹿男を納得させるにはどうやって説得したら良いのかしら…。
「ねー、もしかしてさ、君がしがない商人の娘だとか、婚約者に振られたとか、以前娼婦やってたとか、僕と身分が下だからって気が引けているのー?」
「…な!」
いきなりの侮辱に近い言葉にフローラは表情を強張らせてマリウスを見つめた。
周りの野次馬からも彼の発言に驚きと微かな嫌悪の雰囲気が漂ってきた。
「僕はそんなの別に気にしてないよー。だって君可愛いし、娼婦やってたからセックス上手だろうし、童貞の僕に手取り足取り教えてくれるお嫁さんにぴったり…、」
「ふざけないで!私はね、人の気持ちを全く考えない貴方のことなんて大嫌いなの!貴方と結婚するなんて嫌なの、絶対に嫌、なのっ!」
更新日:2015-08-29 20:20:51