官能小説

成人向けコンテンツについて
R-18

ここから先は未成年にふさわしくない成人向けの文章が含まれています。

18歳未満の方、もしくはこのような小説を不快に感じる方は「入室しません」を選択してください。

上記の内容に同意される場合のみ「入室します」をクリックしてお進みください。

  • 18 / 238 ページ
「どうしたの?また仕事でのお話?
だけど母さんなら今出掛けていないわよ。どうする?」

にこにこしながら無邪気に話すマイラを見て、フローラは少し苦笑いして答えた。

「ううん、今日は仕事では無くて客として来たの。ちょっとむしゃくしゃする事があってね、遊びたくて。…虐められる男は居ないかしら?」

「…虐められる、男?」

フローラの言葉に、マイラはきょとん、と少し驚いたような表情を浮かべた。



      *



…蝋燭の炎だけが妖しく揺れる薄暗い中、妖しげな薫りのお香の煙が立ち込め、所々から男女の喘ぎ声が聞こえてくる中を、マイラとフローラは受付の男の前までやって来た。

「おやマイラ、てか、お前、フレイアじゃないか、一体どうしたんだ?」

受付の男、中年の顔に痘痕の浮かんだ醜い小柄の男、はフローラの姿を見ると驚いたように、だが嬉しそうに呟いた。

「久しぶりねカロン、ちょっと男遊びしたくてね。虐められる男は居ないかしら?」

「虐められる男、ねえ…、」

フローラの言葉に、カロンはちょっと表情を歪めて考え込んだ。

…この娼館は女である娼婦が男を相手するだけでなく、数は少ないが男娼が居て、女(稀に男もあるが)を相手にする所でもあった。

「そうだねぇ、男娼(ジゴロ)のハリウは今さっき客がついたばっかだし、
あとは調教師(レイナー)のレイスとクライドくらいしか待ちがいないけど…、」

…げ、レイス!あいつまだここにいたんだ…!

その名前を聞いた途端、フローラの顔に嫌悪感がありありと浮かんだ。

「レイスは駄目でしょ、あの傲慢馬鹿が黙って虐められるわけないじゃない!」

とマイラの抗議の声。
正にそれはフローラと同意見であった。

「確かに。」

とカロンも頷く。

…てか、今の気分、あんまり調教師とはしたくはないんですけど…、

基本的に、男娼(ジゴロ)も調教師(レイナー)も男が身体を売る仕事なのだが、
男娼は客の相手をするだけで、当然だが客の要求のままに従って抱いたり抱かれたり、時には虐められたりと何でもありである。

それに対して調教師は、身体を使って娼婦を鍛えあげるのが本来の仕事で、基本娼婦しか相手にしないのだが、男娼が足りない時や客からの要望があれば、しばしば相手にすることもある。

しかし調教師はあくまでも娼婦を調教するのが仕事なので、攻めは得意(好み)でも受けは不得手(嫌い)である者が多く、大半は受け専門の客しか受け付けない。

「あいつはどうしたの?ほら、男娼のネイバンは…、」

「あいつならとっくに居ないよ。どっかのお偉い中年マダムに気に入られて身請けされて出ていっちまったよ。」

「は、あ…。」

…ああ、あれは綺麗で大人しくて、かなり虐めやすい典型的Mな男だったからねえ、
そういえば、某高級貴族未亡人ドSマダムがやたら出入りしていて奴を指名していたけど、身請けしたのって、あのマダムなのかしら?
…ああ、折角奴をあてにしてきたのにいないなんて…、

目的の男が居なかったことに、フローラは酷く落胆してしまった。

更新日:2015-08-06 01:12:33

  • Twitter
  • LINE
  • Facebook