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広い檜風呂だった。
バシャバシャと顔を洗う。
鏡の中に素顔の自分を見る。
すこし疲れた顔をしていた。
まだ夜は長い・・・。
ため息をついた時だった。
「しょおくん、終わった?」
「あ、はい」
「こっちにおいで」
檜の浴槽に浸かっている智に呼ばれ、翔は智の元へ向かう。
浴槽に入るか迷っていると、智の手が翔に伸ばされた。
そのまま手を取れば、湯船に入るように導かれる。
「そこ、段になってるから気をつけて」
「はい」
ゆっくりと足を入れれば、すぐに足がつく。
そこに智が座っていることを確かめた翔は、智の左側に腰を下ろした。
「広いでしょ、この風呂」
「……はい」
「一人で入るには広すぎるよな」
「……はい」
この家の風呂には入っているが、こことでは倍以上に広さが違う。
そこに一人で入る智を思い浮かべる。
今座っている所が智の定位置なのかもしれない。
この位置は風呂が余計に広く見えそうだと、翔は思った。
「これからは、しょおくんが一緒なんだな」
そこはハイ、とは言えなかった。
三日間が終われば、こんな家に長居は無用。
とっとと出て行くつもりだった。
忌まわしい記憶を消すために。
バシャバシャと顔を洗う。
鏡の中に素顔の自分を見る。
すこし疲れた顔をしていた。
まだ夜は長い・・・。
ため息をついた時だった。
「しょおくん、終わった?」
「あ、はい」
「こっちにおいで」
檜の浴槽に浸かっている智に呼ばれ、翔は智の元へ向かう。
浴槽に入るか迷っていると、智の手が翔に伸ばされた。
そのまま手を取れば、湯船に入るように導かれる。
「そこ、段になってるから気をつけて」
「はい」
ゆっくりと足を入れれば、すぐに足がつく。
そこに智が座っていることを確かめた翔は、智の左側に腰を下ろした。
「広いでしょ、この風呂」
「……はい」
「一人で入るには広すぎるよな」
「……はい」
この家の風呂には入っているが、こことでは倍以上に広さが違う。
そこに一人で入る智を思い浮かべる。
今座っている所が智の定位置なのかもしれない。
この位置は風呂が余計に広く見えそうだと、翔は思った。
「これからは、しょおくんが一緒なんだな」
そこはハイ、とは言えなかった。
三日間が終われば、こんな家に長居は無用。
とっとと出て行くつもりだった。
忌まわしい記憶を消すために。
更新日:2015-06-30 22:12:57