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「これでニノを誤魔化せるとは思わないけど」

そう前置きしておいて、智は翔の胸にキスを落とす。
智がキスを落とす度、翔のカラダに紅い花びらが散る。

「智くん、もういいんじゃないかな?」

かなりの数の花びらが翔の胸に散っていた。

「ん、あと二つ。ココとココに」

「智くん!」

智が、触ったところにキスを落とす。
舌で転がし、硬くなった翔のソレに吸い付き、甘噛みする。
甘い疼きが翔に走る。
智にもそれがわかったのか、もう片方も優しく弄び始めた。
熱が下半身に集まるのを感じて、翔は智の肩を押す。

「さ、とし、くっ、ん」

「ん?しょおくん、気持ちいい?」

行為を止めて翔を見る智は、嬉しそうで。
この人は、知っている。
自分が溺れていきそうになるのを。

「や、めて、俺は」

「感じて……いいんだよ」

翔は首を振る。

「あっ」

智に大きく足を開かれる。

「ここにも、しなきゃ」

右足の内腿、付け根をすーっと人差し指でなぞられる。
交わった証。
そこに痕をつける事で、滞りなく儀式が終わった事を示すもの。
三日間で三つ、そこに痕を付ければ本当の花嫁となる。
ニノに聞いていた事を思い出して、翔は智をじっと見つめた。
しかし、智はそこにキスしようとしない。

「智くん?」

「しょおくん、いいの?ここにしたら、しょおくんと俺は」

「そうしないと、教えてくれないんでしょう?」

翔は眼を閉じて力を抜いた。

更新日:2015-08-27 15:20:48

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