官能小説

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呼応

「先生…あの…例の…ことですけど…」
「ん…?ああ…」
「今度の金曜日の夜…会おうと思うんです。」
思い切って放課後の職員室に先生を訪ねた俺は、机で書類仕事をしていた先生に切り出した。

「…分かった。」
短く答える先生。
「…先生が一緒だってことも…向こうに話しました。分かったうえで…会うことを了承してくれました。」
「……そうか…」

ほかの先生たちも職員室にはいるが…ざわついているし、俺と先生の会話に気を止める者はいない。
先生は何か考えるように宙を見据えている。その横顔は少し緊張しているようにも見える。

「…駅前のファミレスでどうだろうって…」
「…分かった。学校が終わったら一緒に行こう。」
話を打ち切るように先生は書類を束ね、トントンと揃える。

「お前は何も心配するな。大人同士の話になる。」
そう言う先生の横顔は、何かを決心したかのようだった。

………

金曜日の夕方。
約束の時間まで、俺は図書室で、あまり気乗りしない勉強して時間を潰した。
この後、どんなことが待ち受けているのか。頭の中がいっぱいだった。

外が薄暗くなった頃、職員室に顔を出した。
何人かの先生たちが残っている中、俺に気付いた岡部先生が立ち上がり、戸口にやってきた。

「じゃあ行くか。」
上着に袖を通しながら、スタスタと俺の先をゆく先生。
薄暗い廊下。
俺は先生の背中についてゆく…。

………

先生の運転する車で、待ち合わせ場所のファミレスに向かう。
ハンドルを握る先生は、無言だった。
「…あの…会ったら、どんなこと…」
沈黙に耐え切れずに言う俺。
「………」
先生の横顔は怖いくらい真剣で…ただ黙り込んでいる。

「…俺…」
「藤崎…俺はな、正直、今もまだ迷っているんだ。」
俺の言葉を遮るように、先生が言った。

「…あの夜…お前を拒否しようと思えば出来た筈だ。なのに俺は…」
「………」
「拒否しなかった…できなかった…しかも……」

言葉が途切れる。
俺の中で射精した先生。
先生は、その事を言っているのだろう…

車はファミレスの駐車場へと滑り込む。
空いている駐車スペースを見つけると、太い腕をシートに掛け、助手席側の俺の方に身を乗り出すようにして後ろを見ながら、片手でハンドルを切る先生。
グッと近付く横顔にドキリとする。
一回でピタリと車を停め、エンジンを切る。

静かになる車内。
先生は呟くように言った。
「今…その男になぜ会おうとしているのかも…実はよく分からない…嫉妬なのかも知れんな…」
…え…?
驚いて先生を見るが…先生はドアを開けて、車外へと出てしまった。

俺も慌てて外に出る。
ドアをロックする電子音。
ファミレスの明るい入り口へ向かう先生の背中を、俺は追った。

………

待ち合わせの時間より少し早かった。
おじさんの姿はまだ無く、俺と先生は、案内されたテーブル席に並んで着いた。

「…お前は何も心配しなくていい。そもそも…未成年のお前に、あんなことをすることは…大人として許されることじゃない。」
テーブルの上に置いた両手の手のひらを合わせたり、指を組んでみたり…先生は少し落ち着かないようだった。
自分に言い聞かせるように、ゆっくりと呟くように言う先生。

真面目で正義感溢れる先生らしい…。
…でも先生、俺は…全て自分で選んだんだ…
おじさんに抱かれること…
そして…自ら先生に跨ったことも…

…俺はようやく気付く。
先生の葛藤。
きっと自らを責めているに違いない。
拒否せず…俺の中で絶頂に達しすらしたことを…

「先生…あの…」
言いかけた時だった。
「遅くなりました。矢崎です。」
目の前に立つ大きな体。

「あ…」
俺と先生は同時に顔を上げた。
そして…隣の先生を見ると…先生は目を見開き、言葉を失っていた。

「久しぶりだね。前の赴任校を離れてから
だから…何年ぶりだ?」
「矢崎…教頭…」
先生は言葉を失ったように絶句した…。

………

「…驚いただろう。私も、まさかこんな形でキミと会うことになるとは思わなかったし、驚いているよ。」

食事時の店内は騒がしい。
コーヒーなどの飲み物を注文して向かい合う俺たち三人は、周囲からはどう映っているのだろう…
そんな事をぼんやり考えながら、俺はおじさんと先生を見つめる。

「………」
先生は黙って、おじさん…矢崎さんの話を聞いている。
「彼から、片思いしているという先生の話を聞いた時…風貌や担当教科から、もしかしてキミのことかなと思ったんだ。田舎から出てきて独り暮らししてまで通う高校となると、自然と限られるしな。ほぼ確信に近かった。」
おじさんは穏やかに笑う。

更新日:2015-08-17 05:53:46

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