官能小説

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兆し

公園で目撃した光景。
夜ごとそれを思い描くたび、たまらず俺の手は股間に伸びた。
以前のように、その行為を躊躇うことは、もうなかった。
俺が本当に求めていることが分かったからだ。

先生の体はどんなだろう。
ズボンの中のものは…
それがいきり勃った様は…どんなだろうか。
俺がもし、その胸に抱かれ、公園で目撃した行為のように、先生の性器で体を貫かれたら…どうだろう。
あの若者のように…俺も快楽に泣くだろうか。
俺と同じく独りの先生。独り身の先生。
先生も絶頂に達し、熱い精液を噴き上げることがあるのだろうか…

様々な思考、イメージが頭を駆け巡る。
そして俺はいつも、目が眩むような快感の中、激しく射精する…

………

…夏休みも、もう終わりに近づいていた。
日中はただひたすら、勉強とアルバイトに励んだ。
バイトの帰りが遅くなる日は、あの公園に寄るかどうか迷った。

迷いながら、結局立ち寄ったことも何度もある。
しかし、あのおじさんの姿はなかった。
人影が寄ってくることはあったが、俺は逃げるばかりだった。
この夜の公園で、あのおじさんほど魅力的な人はいなかった。

もっとも、おじさんを探しておきながら、実際に会った時にどうするか。
あの時の若者のようになれるか。
そんな覚悟ができているか。逃げたりしないか。
俺は分からなかった。

………

夏休みも間もなく終わる頃。
あまりに蒸し暑い午後、全く勉強する気にもなれず、部屋でゴロンと横たわり怠惰な時を過ごしていた俺の部屋のチャイムが鳴った。

「はい…?」
訪問者など滅多にない俺の部屋。
不審そうにドアの向こうに声をかけると、
「藤崎か?俺だ。」
岡部先生の声だった。

「あ…。はい…。」
慌ててドアを開けた。
岡部先生が夏の日射しの中、額の汗を腕で拭いながら立って笑っていた。

「どうだ。元気か?しばらく顔見ていないから。様子見に来たんだ。」
「あ…暑い中どうも…。どうぞ。」
この前学校に会いに行った時、帰り際に俺が見せてしまった苛立ち、失敗。
そんなことなどなかったかのように、屈託なく先生は笑っていた。

「ああ、上がらんでも、ここでいい。すぐ帰るから。これ、手土産な。」
狭い玄関に大きな体を押し込め、後ろ手でドアを閉めながら言う先生。

「あ…すいません。ありがとうございます…」
アイスとペットボトルのお茶が入ったビニール袋を先生が差し出す。
日焼けした太い前腕が、汗でしっとり光っている。
白いシャツにも汗の染みが広がり、穿いているチノパンも、蒸し暑そうだ。

先生…
俺の胸が苦しくなる。

先生が俺の部屋に来たことは、入学直後、一度だけあった。
一人暮らしの生徒の生活指導的な訪問だったのだろう。
まだ生活や学校にも慣れておらず、岡部先生のことも、まだよくは知らず、ただ緊張していた記憶がある。
今は…同じ岡部先生の顔を見るだけで、胸が高鳴る。苦しくなる…。

「元気そうでなによりだ。どうだ、調子は。何か困ったことは無いか?」
「…いえ…、特には…ありがとうございます。」
公園での光景。
先生の体を思いながら己を慰める夜を思いながら、俺は首を振る。

「そうか…。なら良かった。」
「………」
先生は少し間を置いて、言葉を繋ぐ。
「それから…この前は悪かったな。おとなしいお前が感情的になるんだから、何か事情があるんだろう。茶化すようなことを言って悪かった。」
そう言う先生の目は、穏やかに笑いながらも真摯なものだった。
「………」
「深くは聞かん。だが何かあったら、いつでも、何でも言えよ?今度は真剣に聞くから。」

…先生は実に大人だった。
青臭い俺の苛立ちや、あの日の暴発なども受け止め、こんなに真剣に捉えてくれる。

「…俺の方こそ…すいませんでした。」
俺も自然と頭を下げていた。
先生は、よせよと言うように苦笑する。

「あの…真に受けないでください。俺の悩みなんて…本当に大したことないんです。」
幼稚な俺の、叶うわけのない想い。
先生に背負わせるわけにはいかない。
俺が独りで…そっと胸に押し留めて置かなければならない秘密。
俺はバレない程度にグッと歯を食いしばり、努めて何食わぬ顔で言う。

「そうか?そうは見えなかったが…まあいい。いつでも待ってるぞ。突然悪かったな。」
先生がこちらに背中を向け、ドアを開ける。
その、汗染みが広がる大きな背中を見たら、つい感情が昂った。

「先生…そんなに俺に構わないでください。俺…かえって何だか…」
言いながら、全く自分が嫌になっていた。
惨めな気がした。
自分の青さや幼さ、全てが。
大人の先生と釣り合うわけもない自分が。

更新日:2015-07-11 00:21:52

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