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ネコ部長
ネコちゃんが我が家に来てから、一週間くらい経った頃だっただろうか。
朝、いつものように和室の障子戸を開けたら……。
ネコ ???
ガラス戸の向こうに黒とグレーのシマシマのちょっと、いや、かなりメタボなネコが……。
どっしり座って私を見てる !!!
えっ ???
逃げるどころか、たじろぐ様子すらなく、目線をまったく外そうとしない。
私も外さない。いや、外せない。
メタボネコと私のにらめっこが始まった。
思わず「なに ? 何か言いたいことでもあるの ?」
どう見てもノラさんでしょうってメタボネコは、スッと視線を外して……。
堂々たる風格で歩いて……。いなくなった。
家の庭なんですけどね。((笑
通行料金払ってけ !!!
その話を息子にしたら
「それはさ。このあたりのノラネコ迷子ネコ有限会社の部長だよ。きっと」
「はぁ ?」
「ネコちゃんを飼ってくれてるかどうか確かめに来たんだって」
「えぇ ?」
何と突飛な発想なんだと笑った私だったが……。
それからも何度も我が家の庭をあの堂々たる風格で歩いているのを見た。
案外、息子の言うことが正解なのかもしれないと思わされる。
ネコちゃんが我が家に来る前には違うノラさんは見たけどメタボ部長は見たこと無い。
しかも、あの視線を外さないふてぶてしさは部長の器だからこそか ?
う~~ん。
それから二ヶ月くらい経ったある日。
外を見るのが大好きなネコちゃんがリビングのガラス戸の前に座っていた。
が、突然慌てふためいてギャッって走って逃げて来た。
何だろうと外を見た息子が見たものは……。
あの堂々たる風格の……。
「なんだ。ネコ部長じゃん」と笑っていた。
「また偵察に来たんだな」だって。
なんだか本当にそんな気がしてきたのは私だけだろうか ?
☆ 写真は家に来て二週間頃の小さなケージの中でコロコロしてるネコちゃんです ☆
更新日:2015-06-26 09:28:14