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静まり返った部屋

キマズイ沈黙

俺にしがみ付いてる雅紀…



でも…



俺には雅紀の気持ちを

受け止める事などできる筈もなく…


「雅紀、いくら酔っているからって悪ふざけが過ぎる

誰にでもそんな事したり言ったりしちゃダメだぞ!

じゃ俺、もう帰るから!(汗)」



「………。」



雅紀の身体を離し

あくまで酔った上でのアクシデントとして

逃げる様にその場から立ち去る



そう…

雅紀は酔ってふざけただけ

そう自分にも言い聞かせて…



車に戻るとまるで今の光景を見ていたかの様なタイミングで

携帯にニノからの着信…

ニノはこれを予測していたのか…?

だからあんな台詞を…?



『もしもし、翔さん? 今どちらですか?』



















「で、逃げ帰って来た…と」


「逃げ帰って…って…」


「良いんですよ

私は別にあなたを責めている訳じゃありません

むしろ相葉さんに手を出さなかったあなたを褒めてあげますよ(笑)」


「手なんて出せる筈ないだろう

雅紀は俺にとってそんな相手じゃないんだから(泣)」



ニノからの電話に助けを求めるが如く飛び付いてしまった俺…

もう頭の中がパニックでどう説明したら良いのか解らなかったけれど

ニノは多くを語らなくても事態を把握し

すぐに俺と合流してくれた



「…そうですねぇ…私が言うのもナンですが…

あなたにとっての『特別』は大野さんだけですもんねぇ…」



ニノはタメ息をひとつ吐くと困った様に俺を見た



「本当のこと言うと

私はあなたと相葉さんがうまくいってくれたら…って

ずっと思っていたんですけどね…」


「ニノ…?」


「相葉さん…もう何年も前から

ずっと翔さんだけを想ってきたんです

でも…

あなたはそんな相葉さんの想いに

全く気付かなかったから…」


「え…?

そうだったの…?」


「翔さん、鈍過ぎます…(怒)」


「だって雅紀はいつも智くんとの事…

応援してくれてたし…」


「…健気ですよねぇ…

翔さんの倖せは相葉さんの倖せ…

だけど今日のあの二人の様子を見て

ストッパーが外れちゃったんでしょうね…」



そう…

誰がどう見てもあの二人はラブラブで…(泣)



「…翔さん、そこで思い出して泣かない!」


「だって…(泣)」


「だって…じゃありません!

だからあなたはヘタレだと言われるんです!(怒)」


「………。」



ニノの言葉が胸に突き刺さって

反論もできない…(泣)



「あぁ~! もぉ~!

だからJに大野さん獲られちゃうんですよぉ~!(怒)」











更新日:2015-06-12 15:58:37

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