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Ruthless stairs 05

どこまでも追いかけられるような、恋が。
理想なわけじゃない。どちらかといえば、黙って俺についてきて。
でも、振り返ればずっとそこにいる、そういう芯の強いタイプのほうが、好きで。

ただ、そうなるまでには、結局。
お互いに愛情を示さないといけない。なかなか理想どおりの恋なんて、ないのかもしれない。

隣で眠る、男は。きっとどこまでも俺を追いかけてくるタイプ。
でも、また。あのときみたいに、突然いなくなる。

結婚の話は、着々と進んでいく。深く愛していないほうが、穏やかに生きられる。
過去に一度だけ恋をした。身を焼かれるような恋を。
彼女はすでに泉下の人だ。

何事もなく、チャンミンのいる生活に甘んじている。
特別、困ることもない。面倒なことも。
世話を焼かれて、時々抱いて寝て、少しずつ波長が、合ってきて。
あいつが、合わせているんだろう。気を遣わせているのは、わかっていた。
窮屈なら、出ていけばいいのに。

お前の俺への愛情ってなんだ。愛情なのか、執着なのか。
最近は女遊びもせずに家に帰る。あの店の女たちから連絡がひっきりなし。
多少なりとも身辺を整理しておかないと、あとあと面倒になるからで。

お前の、ことは。お前自身が決めるんだろう。
ゲームで遊んでる、なで肩の背中を見て、漏らすため息は。

安堵のそれとよく似ていた。

更新日:2015-06-07 22:31:53

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