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リーマンなふたり 4
2014年10月08日(水) 01時30分00秒
テーマ:大まお空想小説





「うわああ~・・・」、


駐車場に車を停めると、そんな叫びをあげる。




「なんだ?・・」、

後部座席から荷物を下している俺を見つめて、


「ドラマの中のマンションみたいですう・・」、

又しても瞳をキラキラさせている。




「お前も、俺の年になれば、これくらいの

部屋に住んでるよ・・」、



すたすたと歩きだすと、



「ああ・・待ってください~」、

パタパタと追いかけて来て、エレベーターに

飛び乗った。




「15階押して・・」、

両手に荷物を持ってる俺がポケットを向けると



「はい?」、

って不思議な顔をする。



「キーが入ってるから、そこにかざさないとEV

動かないから・・」、


そう言うと、驚いて俺のポケットに手を入れた。






エレベーターを降りて歩き出した俺の後を、ちょこ

ちょことついてくるその姿が、正面の硝子に写って

いる。



・・・ちくしょ~!、可愛いなあ・・・




ぶるっと、身震いしながら部屋の前に立って


「ここ、カード・・」、

顔でそこを教えると



「なんか、ドキドキします~・・高そうなホテル

に来たみたいですよお~」、


そんな事を言いながらカードを通して、



ぴ! ドアロックが解除された。





・・・・いいんだな、もう、帰れないぞ・・・




「お~じゃましま~す~!」、


俺の気持ちとは裏腹に、陽気な小鹿君は

自分からドアの中に入って行った。







・・・・いただきます・・・・











更新日:2015-06-01 11:21:32

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