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初めてのデート

「オメーは黙ってろよ」

「貴方が悪いのよ」

「ここで断られたら、野宿するしかないんだぞ」

「こんなことになったのも……貴方が殺人事件なんか追いかけるからよ」

「バーロー、俺は探偵だぜ? 目の前で事件が起こってるのによ、
見過ごすわけにはいかねーだろうが……」

ホテルのフロントで中学生と思われる少年少女が口喧嘩をしている。
受付にいたのはまだ新米らしきホテルマン。
対処に困った顔をしながら遠慮がちに彼らに話しかけた。

「あのー、よろしければエキストラベッドのご用意もできますが……」

「それでお願いします」
「イヤよ!」

「だから、オメーは黙ってろと言ってるだろう」

なおも言い合いを続ける二人に、フロントマンが彼らの関係を確認をする。

「あの、失礼ですが、ご姉弟(きょうだい)ですよね?」

「はい、そうです」
「いいえ、違います」

少年がイエスと答えれば、少女がノーと否定する。
そう、フロントで揉めていたのは江戸川コナンと灰原哀の二人だった。

コナンが哀をジロっと睨むと、哀もコナンを睨み返す。
先ほどからこうして睨み合いの攻防戦が続いている。

コナンと哀はこのホテルのフロントにたどり着くまでに、
五件ものホテルに宿泊を断れていた。

見るからに中学生の男女をホテルも簡単には泊めてはくれない。

あるホテルでは家出中の少年少女と間違われて、
危うく警察に通報されそうになったところを慌てて逃げ出してきた。

六件目でようやく押しに弱そうなフロントマンを見つけて、
コナンが宿泊の交渉にあたっているのだが……
夏休みとあってホテルの部屋は一室しか空いていなかった。

しかも、ダブルの部屋だという──。
それを聞いて哀が嫌だとゴネているのだ。

更新日:2017-09-15 23:40:21

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アイの命運、恋の勝利条件 【コナンでコナン×哀】