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彼からの電話

都大会の優勝を決めた日──
江戸川コナンに突然の告白を受けてから一週間ほどが経っていた。
しかし、あの日以来、灰原哀がコナンに会うことはなかった。

というのも、すでに先週から学校は夏休みに入り、
隣で暮らしていながらも小学生の時みたいに、
コナンが用もないのに阿笠邸を訪ねることはない。

その上、コナンは一昨日からサッカー部の合宿に行っている。

哀はコナンと顔を合せなくて済むことにどこかホッとしていた。

コナンには逃げないと約束したが、実際どんな顔をして彼に会い、
何を話せばいいのか哀にはわからなかった。

別に男子から告白されるのが初めてというわけではない。

中学校に上がった頃から上級生や同級生から呼び出されては、
付き合って欲しいと告白されてきた。
つい最近は一年生の男子にまで待ち伏せされた。

さすがに中身は二十五歳にもなる哀だったので、
そんな子供からの告白にはあっけにとられるばかり。

コナンがさかんに気にしていた化学部の部長からもひと月ほど前に、
付き合って欲しいと言われたが、興味さえわかなかった。

好きでもない相手と付き合うほど恋愛に関心はないし、
実際は十歳も年下の少年たち。
哀はその場でいつもはっきりと断ってきたのだが…………。

けれども、コナン相手にはそうはいかない。
彼は他の少年たちとはまるで違うのだ。

江戸川コナンは灰原哀に誰よりもお似合いの中学生だった──。

(どうして、私ったら、あの時、断れなかったのかしら……)

そうよ。
はっきり断れば良かったのよ。
でも────

更新日:2017-09-15 23:39:41

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アイの命運、恋の勝利条件 【コナンでコナン×哀】