• 32 / 179 ページ

彼の告白

コナンたち帝丹中学サッカー部は順当に勝ち進んで、光彦の予想通りに難なく決勝進出を果たす。
コナンの活躍に触発され、他のサッカー部員たちも攻守に渡って光るプレイを見せていた。

そして、いよいよ都大会の決勝戦当日。
哀や歩美、光彦だけでなく元太も部活の合間に応援に駆け付ける。

試合は息詰まる大熱戦。
やはりここでもコナンがチームを引っ張った。
後半40分過ぎにコナンが勝ち越し点を挙げると、最後は全員で守り抜き、
帝丹中が3-2の接戦で辛くも勝利したのだ。

帝丹中の勝利の瞬間にはスタンドから大歓声が沸き起こり、
コナンはピッチの中央でサッカー部員たちに手洗い祝福を受けてもみくちゃにされていた。

スタンドにいた少年探偵団たちも歓喜の雄たけびを上げる。

「やったぜ! コナン!」
「コナン君、やったね、おめでとう!」
「さすがコナン君、最後も魅せてくれましたね。ほんとすごいです!」

元太が大きな身体でガッツポーズをすると、
歩美はピッチ上にいるコナン達に盛んに手を振り、
光彦は自慢のカメラを手に何度もシャッターを切っていた。

哀はただ静かにグラウンドを見つめていたが、哀の目にはうっすらと涙が────。

江戸川コナンは本来ならここには存在しない人間だ。
哀がAPTX4869を作成しなければ、過ごすこともなかったもう一つの人生。
それをこうやって江戸川コナンとして生き生きと躍動している工藤新一の姿を見て、
今日ばかりは哀も心の底から素直に彼に祝福を送りたい。

『やったわね、工藤君……おめでとう……』

哀は誰にも聞こえない小声でそう呟いていた。


そうして、試合後は少年探偵団五人が米花駅前のファーストフード店に集合すると、
ささやかながらコナンの都大会優勝のお祝いをすることにした。

更新日:2017-09-15 23:38:48

  • Twitter
  • LINE
  • Facebook

アイの命運、恋の勝利条件 【コナンでコナン×哀】