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ハプニング

翌日は土曜日だったせいもあり、コナンは医者の忠告通り、
大人しく工藤邸で静養していた。

そんな土曜日の午後、ピンポーンと玄関のベルが鳴る。

「なんだよ、あいつ、忘れ物か……」

と、コナンが呟きながら急いで玄関を開けて見れば、
そこに立っていたのは灰原哀だった。
コナンが哀を見て意外そうに目を見開く。

「あれ? 灰原かー、どうしたんだ? 中へ入れよ」

コナンは哀をリビングへと招き入れる。

「どう? 頭の具合は?」

「ああ、普段と変わらねーよ。医者が大げさなんだよ。
ちょっと気絶したくらいで三日も部活を休んだら、身体がなまっちまうぜ。
灰原、適当にその辺に座れよ」

コナンにそう言われ、哀がリビングを見渡すと、
テーブルの上には来客用のコーヒーカップとソーサーが一組おいてあった。

「あら? 誰かお客様だったの?」
「ああ、さっきまで蘭が来てたんだよ。結婚式の写真を持ってきてくれたんだ」
「……そうなの」

哀はコナンを心配して工藤邸にまで足を運んだことをすぐに後悔した。

「灰原、コーヒーでいいか?」

「いいわよ、すぐ帰るから……。ちょっと様子を見に来ただけだし……」

「まあ、いいから、遠慮なんかすんなよ。
ソファに座って待ってろよ。俺、コーヒー入れてくっから……」

蘭が飲んでいたコーヒーカップをさっと手に取ると、コナンがキッチンへと消えていく。

哀は仕方なさそうに小さく一つ息を吐く。

(このまま帰るわけにはいかないわよね)

そうして、どこへ座ろうかと迷いながら、ロングソファに腰を降ろした。

二人分のコーヒーを入れてくると、コナンは迷わず哀の隣に座った。

いつも二人の間には一人分のスペースが空いていたのに、
今はまるで恋人同士みたいに彼が側にいる。

哀が戸惑う。
ほんの少し動けば、相手に触れてしまいそう。
哀はいつもと違う二人の距離間にわずかに身体を強張らせた。

更新日:2017-09-15 23:35:17

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アイの命運、恋の勝利条件 【コナンでコナン×哀】