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小説

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第六章、彼女たちの作戦開始 =其の三、千鶴への疑惑






第六章、彼女たちの作戦開始



其の一,新たな決意


 六月に入って間もなく、絹枝達一同は、以前住んでいた二階のアパートから、山口宇部銀行の裏手、新天町の繁華街に通じる路地を入った所で、一軒家へ移り住んだ。
 
 その家は六畳一間と四畳半、台所、便所、風呂場で、家賃五千円の借家、彼女達に取っては、小じんまりとした住居だった。

 行動開始するには、先ず…銀行に近い事。真締川が直ぐ横にあるので、道路を余り歩かず、公園を通って人目を避ける事が出来る条件だった。

 川には三本の橋が、銀行の前へ二本が通過、申一本は裏を通る商店街に通じる橋が架かっている。

 橋は上流から、上の橋を「新川橋」、中の橋を「旧新川橋」、下の橋を「錦橋」の三本だった。

 上の「新川橋」が一番新しく、昭和二十七年三月に造られた橋。

 中の「旧新川橋」は昭和十二年二月に造られ、東西を結ぶ最初の車道を兼ねた橋。

 下の「錦橋」が一番古く、宇部市が市になる前に、未だ宇部村と呼ばれていた時代だから、当時は木造橋で、人道橋でもあった。

 現在ではコンクリート橋に変わり、年号は不明である。

 この三本の橋の、いずれかの橋の下から、トンネルを掘り、銀行の東側から建物の端へ抜け、其処から更に緑ガ浜一本松の下へ、堀って行こう…と云うのだから、途方もない彼女たちの計画であった。

 真締川の岸辺から、銀行裏の緑ガ浜一本松の所まで、一直線にトンネルを掘るには、中の橋「旧新川橋」や下の「錦橋」の方が、一番最短距離ではあったが、銀行の出入りの激しい道筋には、橋を渡る人が多い。

 下の錦橋は、橋の巾が約六㍍と狭く、東側へ渡れば、新天外へ通じ、西側へ行けば、銀天外の商店街へと通じている、昔ながらの人道端である。

 それに川の両岸が約十五㍍巾の公園で連なり、散歩する人々も多く、岸辺から橋の下は丸見え状態だった。




更新日:2017-09-27 07:12:31

愛すべき彼女たち =( 財宝と二重死体と生きていた顔は…?)