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第ニ章 彼と彼女の別れと解毒剤

新一に抱きしめられて以来、哀は工藤邸に行くことはなかった。

新一にはもう家庭教師は必要ない。
最初から必要なんてなかったのだ。
彼の気まぐれ。

また新一と会わない日々が続く。

胸の中にポッカリと穴が開いたように空虚さが哀を襲う。
それでも「これでいいのよ」と何度も自分に言い聞かせた。

そんなある日、博士から思いもよらない話を聞く。

「新一は蘭くんと別れたみたいじゃのう」

「えっ!? 博士、それ、本当なの?」

「ほら、一昨日、工藤夫妻が帰ってきたじゃろ。
有希子さんが新一は蘭ちゃんと別れちゃったのよと嘆いておったわ」

(どうして? いつ、別れたのよ?)

「あっ、そうじゃ! 
日曜日の夜にの、有希子さんに一緒に食事はどうかと誘われたんじゃが……
もちろん哀くんも行くだろ?」

哀は新一と蘭の別れ話のことで頭が一杯で博士の言葉も上の空。
気づいた時には哀もいつのまにか行くということになっていた。

(工藤君に会ったら、どんな顔をすればいいのかしら……)

蘭と別れたと聞いて哀の心がグラグラと揺れていた。

更新日:2017-08-06 10:21:36

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哀情恋慕 【コナンで新一×志保】