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プロローグ

ついひと月ほど前、日頃は敵対関係にある日本の警視庁と公安警察、
更にはアメリカのFBIとCIAが共に手を結び、黒の組織の拠点をすべて壊滅させるに至った。

これによって誰もが黒の組織の脅威にさらされることもなくなった。

工藤新一が江戸川コナンに、宮野志保が灰原哀となって十ヶ月が過ぎた頃だった。

宮野志保こと灰原哀は黒の組織の元一員だが、その存在は極一部の幹部にしか知られておらず、
黒の組織内でも彼女のことは秘密にされていた。
ボスをはじめそんな幹部たちも最後は警察との激しい銃撃戦で全員の死亡が確認された。

宮野志保が黒の組織の人間だと知る幹部たちが誰もいなくなったことに加えて、
組織壊滅のために警察への協力を惜しまなかったこともあり、
日米警察のトップ協議により志保は罪に問われることはなかった。

灰原哀はFBIから『APTX4869』に関するデータを入手すると、一ヶ月の時間を費やし、
ついに念願の解毒剤を完成させた。


そして、今、灰原哀と江戸川コナンの二人は阿笠邸の地下室にいた。


「工藤君、これが貴方が待ち望んでいた解毒剤よ。
これで完全に工藤新一に戻れるわ」

哀が小瓶から1つのカプセルを取り出すと、コナンに手渡す。

「へぇー、これが解毒剤の完成品か……。
ようやく俺も元の身体に戻れるんだな」

コナンは解毒剤を手の平の上で転がしながら感慨深げに眺めている。
とても嬉しそうだ。

「灰原、オメーはいつ戻るんだ?」
「私は……このまま……戻らないわ」
「オメー、それ、本気で言ってんのかよ」

コナンは哀の返事に意外そうな顔をする。
てっきり哀も元に戻ると思っていた。

更新日:2017-08-06 09:44:16

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哀情恋慕 【コナンで新一×志保】