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小説

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夏旅行 part 1

「三泊四日くらいでいいんじゃないの?」

「ダメだ!」

「なんでよ」

「行くだけで半日はかかるんだぜ。三泊四日じゃあ短すぎるだろ。
せっかく行ってもさ、海もプールも温泉にもつかれねーよ」

「じゃあ、四泊五日にするの?」

「それもダメだ! 一日延ばしたくらいじゃ変わらないって……
ゆっくりできねーじゃん
……なあ、五泊六日にしよう」

先ほどから旅行先のガイドブックを手にして見ていた灰原が、
俺の方を目を細めてジロリと睨む。

まるで俺の下心を見透かされてるようで……
ほんの少しだけいたたまれない気分だった──。

夏休みも半分が過ぎてしまい、前半は灰原がアメリカへ行ったり、
俺の両親が帰ってきたりと……
彼女と二人きりでゆっくりと過ごす時間がほとんどなかった。

来週から世間もお盆休みに入り、それに合わせるかのように、
サッカー部の部活の方も一週間の休みとなる。

そんな部活動の休みを利用して俺は彼女と──
灰原と二人だけで初めて旅行へ行く予定だ。

というわけで、ここ最近は毎日会うたびに旅行について話し合っているのだが……
彼女と俺とでは旅行へかける熱意が違うらしく、話が上手くかみ合わない。

日程ひとつとっても互いの意見が違ってなかなか決まらないのだ。

更新日:2015-08-10 15:42:54