- 66 / 167 ページ
そりゃあ、灰原と部活とどっちが大事かと聞かれたら、
『灰原だ』と即答できる。
部活に関してはそれほど熱心ではない。
けれども───
彼女を誘うのだってそれなりに準備と勇気がいるんだよ。
そう、彼女に断られた時のショックを考えると簡単には口にはできない。
それに────
彼女と旅行したいから部活を休むと歩美に言えるわけねーだろうが……。
部活をサボるには歩美の協力が必要不可欠なのだ。
別に旅行に行きたくないわけじゃない。
むしろ、行きたい。
「哀ちゃんも新ちゃんが誘ってくれるのを待ってると思うわよ」
どこかへ遊びに誘って欲しいようには見えねーけどなぁ。
あいつ、暇があるとすぐ地下室に籠っているんだが……。
「母さん、灰原から何か聞いてるのか?」
「それがね、哀ちゃんって口が固いのよねぇー。
新ちゃんのことは聞いても教えてくれないの。色々と知りたいのに……」
(おいおい、灰原にいったい何が聞きたいんだよ!
てか、まだ飲み続ける気かよ)
母さんはいまだに酒の入ったグラスを握り締めている。
今夜は上機嫌のようだ。
『灰原だ』と即答できる。
部活に関してはそれほど熱心ではない。
けれども───
彼女を誘うのだってそれなりに準備と勇気がいるんだよ。
そう、彼女に断られた時のショックを考えると簡単には口にはできない。
それに────
彼女と旅行したいから部活を休むと歩美に言えるわけねーだろうが……。
部活をサボるには歩美の協力が必要不可欠なのだ。
別に旅行に行きたくないわけじゃない。
むしろ、行きたい。
「哀ちゃんも新ちゃんが誘ってくれるのを待ってると思うわよ」
どこかへ遊びに誘って欲しいようには見えねーけどなぁ。
あいつ、暇があるとすぐ地下室に籠っているんだが……。
「母さん、灰原から何か聞いてるのか?」
「それがね、哀ちゃんって口が固いのよねぇー。
新ちゃんのことは聞いても教えてくれないの。色々と知りたいのに……」
(おいおい、灰原にいったい何が聞きたいんだよ!
てか、まだ飲み続ける気かよ)
母さんはいまだに酒の入ったグラスを握り締めている。
今夜は上機嫌のようだ。
更新日:2018-06-17 21:21:31