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『子供っていうのは中学生になると一気に親離れしていくもんだなあ。
これもあいつらの成長だと思えば、喜ぶべきなんだろうけどよ……』

(ていうか、いつから俺、あいつらの親になったんだろう?)

小学生一年の頃から灰原と一緒に子供たちの保護者みたいに過ごしてきた分、
彼らの親離れがちょっと寂しかったりもするのだが……。

そんな訳で、この夏休みは少年探偵団として活躍することもないかもしれない。

そういや、部活と言えば、ひと月ほど前に灰原とひともんちゃくあったばかりだった。

黒の組織が壊滅して灰原をつけ狙う連中から解放されたと思ったら、
今度は別の悩みが浮上する。

それは灰原が人目を引くほど綺麗になったことだ。

彼女は春に転校してきて以来、帝丹中でも1、2を争う美少女と噂され、
ハーフということもあってか赤茶色の髪の美少女はとにかく歩いているだけでもよく目立つ。

ちなみに目立っているのは校内だけではない。
彼女の美少女ぶりは街を歩けば、大人の男の視線までも引き付ける。

(いや、惚れた欲目じゃねーから……。マジで可愛いんだって)

元々の綺麗な顔立ちに可愛さが加わってまさに可憐な美少女。

(まっ、見かけだけだけどな)

それでも、いつどこで灰原への邪な欲望に駆られる少年や男が現れても不思議ではない。

蘭みたいに腕っぷしが強くて男がふらふらと言い寄ってきても、
自分で撃退できるだけの腕力が灰原にもあったら、何の心配もいらないのだが……。

(灰原に拳銃でも持たせたら、俺以上の腕前だったりするんだろうけどな、アハハハ。
でも、んなもの持たせるわけにいかねーしよ、いっそ灰原に護身術でも習わせようかなぁー)

『貴方、バッカじゃないの? お断りよ!』と拒否られるに決まっているが……。

(あいつ、俺の言うことなんて聞きゃあしないからな、どうすっかな)

更新日:2018-06-17 21:18:20

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