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なんと母さんのプレゼントとは────
高級リゾートマンションの鍵だった。

「新ちゃん、いいものあげる!」

「いい物ってなんだよ」

「新ちゃん、はい、これよ! 優作と私からの誕生日プレゼントよ。
ちょっと早いけどね、先に渡しておくわ」

そうして、手渡されたのがリゾートマンションの鍵とパンフレット。
マンションは都心から三時間ほど車で離れた場所にあるらしい。

パンフレットを見れば、温泉やスポーツジムに屋内と屋外のプール、
それから居住者のためにプライベートビーチまで用意されているという贅沢な建物。

おいおい、これが誕生日のプレゼントか!?

「母さん、何だよ、これ?」

「そのパンフレットを見ればわかるでしょ? リゾートマンションの鍵よ。
部屋からは海が見えるし、周りは静かでとってもいいところなのよ。
新ちゃんの誕生日プレゼントなんだから、貴方の好きに使ってね」

「バーロー、こんなもの、受け取れるかよ。
母さん、俺、まだ中学生だぜ? リゾートマンションなんかいらねーよ」

「はぁー、新ちゃん……探偵ならもうちょっと頭を働かせなさいよ」

母さんが呆れたようにため息をついている。

「なんだよ、頭を働かせろって……」

「だから、哀ちゃんよ!
新ちゃんのためだけだったら、リゾートマンションなんてプレゼントしないわ」

ますます意味がわからない。
なんで俺の誕生日に灰原が関係あるんだよ。

「母さん、灰原がどうしたんだよ」

「哀ちゃん、夏なのに海にもプールにも行けなかったら可愛そうでしょ」

「はあ? なんで灰原が海にもプールにも行けないんだよ」

「もう! 新ちゃんったら相変わらず女心には鈍感なんだから……。
私の育て方が間違ったのかしら?」

おいおい……。

「新ちゃん、忘れちゃったの? 哀ちゃんはひどい大怪我を負ったのよ。
貴方の左足にも傷痕が残ってるでしょう」

ああ、そうだった!

更新日:2018-06-21 01:11:00

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