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小説

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もう一つのバースデー

「江戸川君、これ、受け取って……誕生日のプレゼントよ」

灰原が綺麗にラッピングされたプレゼントを差し出す。

「灰原、ありがとな」

彼女の肩を抱き寄せて、彼女の頬にお礼のキスをした。
彼女がくれたプレゼントはフサエブランドのキーホルダーだった。

「そう言えば、有希子さんからもらった誕生日プレゼントって何だったの?
有希子さんに私にも関係があるものだからと言われたんだけど……
いったい何をもらったの?」

俺は灰原に尋ねられて、誕生日のプレゼントを手渡された時の母さんとの会話を思い出す。

母さんのプレゼントは────
都心から車で二時間ほどの海辺沿いにある高級リゾートマンションのカギとパンフレットだった。
温泉や屋内外のプール付きで居住者用にプライベートビーチまで確保されてるらしい。

「母さん、何だよ、これ?」

「何って……優作と私から新ちゃんへの誕生日プレゼントよ」

「はっ? おいおい、いくら何でも豪華すぎるだろ。
俺、まだ中学生だし、こんな高いもの受け取れねーよ」

「はぁー、新ちゃん……探偵ならもうちょっと頭を働かせなさいよ」

母さんが大きくため息をついてそんなことを言う。

「何が言いたいんだよ」

「……哀ちゃんよ」

「えっ!? 灰原がなんだって?」

「哀ちゃん、夏なのに海にもプールにも行けなかったら可愛そうでしょ」

「母さん、言ってる意味がわかんねーよ。
なんで灰原が海やプールに行けないんだよ」

「もうー、新ちゃんったら女心もわからないの? キズ跡よ。
彼女、銃で三か所も撃たれたのよ。貴方の左足にも残ってるでしょう」

更新日:2016-10-07 00:19:10