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小説

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【中学一年生 四月】 曖昧な関係

「江戸川君、江戸川君、ほら……早く……起きてよ……」

何度も身体を揺り起こされているのに、俺の名を呼ぶ声が心地よく、
なかなか目を開けることができない。

声のする方に手を伸ばすと、誰かが俺の手を握り締める。

その手は大人の手にしては小さくて、
でも、とても暖かくて柔らかかった────。


(つーか、これ、灰原の声じゃねぇーか! なんで俺の部屋に……夢か……いや……)

『そうか、灰原が帰ってきたんだぁー!』

思い出したら、一気に目が覚めた。
慌てて起き上がってみれば、灰原が俺の手を握っている。

「やっと起きたのね。今日はサッカー部は遠征して、練習試合があるんでしょ?」

俺は朝が苦手だ。
面白いミステリー小説を手にすると、つい時間を忘れて夜更かししてしまう。
まだぼんやりとした頭で灰原をじっと見つめる。

彼女も俺の視線に気づいたようで……

「歩美ちゃんにね、『時間厳守だから、コナン君を起こしてね!』と頼まれたのよ」

歩美はサッカー部のマネージャーをしている。
俺の後を追うようにサッカー部に入部してきた。

「朝食の用意ができてるから……早く着替えて降りてきてよね」

灰原の手が自然と離れていく。
部屋から出て行く彼女の背を見送ると、俺は手のひらを見つめ返した。

ついさっきまで彼女と繋いでいた手の平のぬくもりが、
灰原がそこにいたのは夢ではないと教えてくれている気がして……
きっと誰かが見ていたら、俺は不気味なほどニヤけてたに違いねぇー。

更新日:2017-10-18 17:48:17

陰陽のハーモニー 【コナンでコナン×哀】 中学生編