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第四章 答えはどこに?

一時間という短い再会だったが、俺は久しぶりに上機嫌だった。

引き続き灰原の護衛をするという赤井さんを残したまま、
一人で病院のエントランスまで戻ってくると、今度は母さんが待っていた。

もう黒のリムジンの出迎えは終わったらしい。

(ていうか、あれってFBIが手配してくれたのか、まさかな、アハハッ)

普段は派手なスポーツカーを乗り回している母さんだが、
今日はシルバーの日本車で迎えに来ていた。

何でもあまり目立たないようにと母さんなりの配慮だそうだ。

「新ちゃん、ちゃんと哀ちゃんに会えたみたいね。
新ちゃんのそんな嬉しそうな顔を見るのは久しぶりよね、フフフッ」

そう言いながら何が楽しいのか母さんが声を出して笑っている。
なぜか母さんまでも上機嫌だった。

(そういや、俺が最後に笑ったのっていつだったかな)

すぐには思い出せないくらい笑った記憶がない。

あれは俺がホテルに籠ってばかりいた頃────

『お前の目は死んだ魚のようや。今のお前は探偵とちゃう。
工藤、お前はもう俺のライバルでも何でもないわ』

『お前がそないな腑抜けた態度でどないするんや! 
灰原の姉ちゃんはもっと辛い目におうとるんやで』

『工藤、しっかりせぇー!』

服部にも何度もそうやって叱咤激励された。
けれど、俺は時間を忘れたようにただぼうっと生きていた。

(母さんにもずっと心配かけてたんだな、ごめんな)

周りの支えがあったからこそ、今、俺はここにいられる。

『ありがとう、母さん……服部もサンキュ! 
父さん、博士、それからジョディ先生、赤井さん、どうもありがとう。
みんな、愛してるぜ!』

俺の今の気分はと言えば、天にも昇るほどのハイテンション。

俺たち二人を支えてくれた大勢の仲間たちに、
彼女の分まで声を大にして感謝したかった。

更新日:2017-07-28 22:52:27

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