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ひまわりの君 9

ひまわりの君 ⑨
2014年12月21日(日) 23時10分00秒
テーマ:大まお空想小説










「よく取れたな~」、

皆が、幸広の段取りに感心している。



駅伝関係者で溢れている市内に、なんと温泉付き

の部屋を抑えて、破格に値段。


食事は無いけどみんなで枕投げが出来る程の

広さの部屋。


陸上部の宿にも近いらしいぞ!

なんて話で盛り上がり、夕飯を兼ねてその宿に

向かう事になった。


「行っていいの?」、

幸広にそっと聞くと


「大輔が、監督に聞いたらしいぞ、リラックス

するから、顔出してやれって、逆に言われた

らしい。」、

心配するなって、僕の背中を押して幸広は歩き

出した。








「あ~・・・ここだな!」、

大輔が立ち止まった大きなホテルの前には

高校の名前が書かれた看板があった。


どうする?、呼び出すか?それとも乱入?

なんて、玄関先で笑っていると



「ホントに来てくれたんだあ~」、

がばっと、僕の後ろに抱き付いた声!



次々と現れたのは、陸上部の面々で、夜の

散歩に出ていたらしい。


いつまでも、僕の背中に張り付いて、皆と

話混んでいるのは、雄大で、


「お前、いつまで京介抱きしめてんだよ!」

龍介が、引き剥がしにかかった。



「だって~・・京介って、ちっちゃくてさ

可愛くってさあ、暖かいしさあ~」

更に、きつく抱きしめて来た。


そして、クンクンと僕の髪に顔を埋めて



「うああ~、なんか、スッゲ~いい匂い!」、

そんな事を耳元で言うもんだから、僕は

ぼっと真っ赤になってしまった。



すると、大輔が、雄大の腕を引っ張って

ぐいぐいとホテルの中へと歩いて行った。



「うわあ~、ヤキモチ?」、

リョウマの呟きに、圭介がすかさず蹴りを

入れたのを見た僕に、


なんでもないよ~って、圭介が笑って・・


みんなも、一緒にホテルに入った。

更新日:2015-02-16 13:27:59

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