官能小説

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R-18

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I want to be with you.

その日扉間は義理の姉であるミトから相談を受けた。

「旦那様が最近妙なものにハマってしまって・・・。」
「妙なもの?」
「ええ。」

そう言うとミトは伺うように後ろを振り返った。

「大丈夫だ、兄者なら執務室に缶詰だ。
たんと仕事を押し付けてきたからな。」
「ごめんなさいね、お仕事中に呼び出して。」
「いや、丁度良い息抜きだ。
それに兄者に聞かれたくない話だから呼び出したのだろう?」
「ええ、そうなの。」
「で?兄者のハマっている妙なものとは?」
「お人形なの。」
「人形?」

扉間が眉を顰めた。
兄にはアカデミーに通う子どもがいる。
だがもう人形遊びに興じる歳でもなかった。

「市松人形なの。」
「はあ・・・。」

人形を集めたり可愛がっている兄を想像して思わず笑いがこみ上げそうになった扉間は堪える為に渋い顔をした。

「普通の市松さんって、女の子でおかっぱ頭で着物を着ているでしょう?」
「ああ、そうだな。」
「そのお人形は男の子なの。」
「男子の人形?」
「しかも髪がぼさぼさでうちはの装束を着ているの。」
「む?それは・・・。」
「うちは一族に昔、マダラと言う頭領がいたのでしょう?
まるでね、その人みたいなの。
て言うか・・・。」

ミトはしばらく言い淀んだ後、思い切った表情で言った。

「お人形にね、『マダラ』って呼びかけているの、私聞いちゃったの!」
「・・・。」
「なんだか・・・薄気味悪くって・・・。
でも旦那様が大切にしているお人形だから、私がどうする事も出来ないし・・・。」
「その人形はどこに?」
「旦那様のお部屋に。」

ミトが扉間を柱間の部屋に案内した。
兄の部屋を訪ねるのは久しぶりだ。
いつもは客間や居間にしか通されないからだ。

「これよ。」

ミトは部屋の隅の箪笥の上に置いてある桐の箱を取り上げた。
蓋を取ると市松人形が入っていた。
この手の人形は見た事があるが、それはやけに目が大きくぱっちりとしていた。
髪はボサボサで、前髪も目が隠れそうな程長い。
後ろ髪は肩より少し長い位でうちは独特の装束に身を包んでいた。
普通男の市松人形には髪の毛はなく、筆で坊主頭になるように頭が塗られているが、この人形は確かに男の子だった。
蓋の裏側には『マダラ』と書かれていたからだ。

「顔は市松だが確かにこれはマダラのようだな・・・。」
「なんで旦那様はこんな人形を持っていたのかしら・・・。」
「兄者に聞いてみたのか?」
「いえ、まだ・・・。」
「義理姉者(あねじゃ)は妻なのだから何でも聞いたら良いだろう?」
「だってこれは普通に店で売っているものではないでしょう?
こんなものをわざわざ作らせるなんて旦那様はまだあの人の事・・・。」
「いや、この人形は最近作られたものではないな。
状態は良いが・・・。箱が古い。
里が出来る以前のものじゃないのか?」
「じゃあ昔うちはで作られたものなのかしら?」
「そうかもしれん。
ほれ、端午の節句に武者人形を贈るだろう?
うちはではこういう人形が作られていたのかもしれん。」
「それにしても・・・うちはマダラの人形を大事に持っているなんて・・・。」
「そうだな。義理姉者もいい気がしないのは分かる。」
「分かって下さいますか?扉間さん。」
「これはワシがなんとかしよう。」
「どうなさるの?」
「捨てる。」
「えっ!でも!」
「こんなものをいつまでも大事にしておく兄者の気がしれん。
良いか、義理姉者、兄者が人形がなくなったと騒いでも気にするな。
知らぬ存ぜぬで通せ。」
「で、でも・・・。」
「そうだな。ワシが来た事だけ告げておいてもらおう。
そうしたら兄者はきっとワシの所に来るだろうからな。」
「でも、良いのでしょうか?
大事にしている人形を捨ててしまって・・・。」
「ワシが預かったって兄者は承知せん。
だったらきっぱり捨てた方が良い。」
「・・・分かりました。あの、私が頼んだ事は・・・。」
「義理姉者は何も余計な事を言うな。
たまたまワシがこの部屋にある以前貸してあった巻物を取りに着て人形を見つけ、処分した、それで良い。」
「ありがとうございます。
よろしくお願い致しますね。」

ミトはそう言って頭を下げた。

更新日:2015-02-21 00:26:44

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