官能小説

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R-18

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最愛

「マダラの調子はどうなんだ?
そんなに悪いのか?」

心配そうな顔で柱間はイズナに尋ねた。
マダラが具合が悪いと言うので家まで見舞いに来た柱間だがイズナは中に入れようとしなかった。
マンションの一階のオートロックの所で待たされた挙句、下まで来たイズナに『外でお話しましょう』と言われて近所にある喫茶店に連れて来られた。
かれこれ三十年も前からあるというコーヒーショップは昼だと言うのに店内は薄暗く、有線からはジャズが流れていた。
今時珍しく禁煙席などないためか、結構サラリーマンで賑わっており、愛煙家が思う存分煙草の煙をくゆらせているが、近くに空気清浄機がある隅っこの席にしたので然程煙たくはない。

「兄さんなら大丈夫ですよ。
ただ、今眠っているので。」
「そうか。眠ってるのか。
じゃ、もう良くなったのか?」
「ええ。一時は熱がとても高くて心配しましたが、三十七度まで下がりました。
ただ兄さんの平熱は低いので・・・三十六度もないですから、まだ体が辛そうで。」
「そうだな、マダラの体温は低いからな、まだまだ寝ていた方が良さそうだな。」
「そういう訳で、柱間さん。」

イズナはニコッと笑顔で言った。

「今日の所はこれでお帰り下さい。」
「だがイズナ。」

そこでコーヒーが運ばれて来た。
二人はスプーンを取って砂糖やクリームを混ぜてカチャカチャと掻き回す。
コーヒーを一口飲んで柱間は言葉を続けた。

「これ以上実家にお世話になっていると言うのもな。
本来ならオレが看病するのが道理だし。」
「ボクなら構いませんよ。」
「イズナが構わなくとも。」

柱間はコーヒーをグッと飲んでから言った。

「オレはマダラを連れて帰りたい。
マンションの前に車を留められるか分からなかったから電車で来たが、帰りはタクシーを呼べば良いだろう?
オレは迎えにきたんだ、マダラを。」
「・・・。」
「勿論マダラに無理はさせない。
家に帰っても安静にさせて、家事はオレが代わりにやるよ。」
「兄さんは渡しません。」
「イズナ。」

柱間は眉を顰めた。

「どういうつもりだ?」
「柱間さん、兄さんはもうボクのものなんです。」
「えっ?」

怪訝な顔で柱間はイズナをしげしげと見つめた。
イズナは穏やかな表情でかちりと音をさせてカップを皿の上に置いて言った。

「熱にうかされる兄さんの体、拭いてあげたんです。
何度も、何度も。」
「熱が高いと汗が出るからな。」
「兄さんはあまり汗をかかないんですよ。
でもきれいにしてあげたくて、何度も拭いてあげました。
でも、何度も擦ったら肌に悪いような気がしたので、人に聞いたんです。
どうしたら良いだろうって。」
「・・・。」

イズナが何を話したいのかその意図が今一つ分からず、柱間は黙って聞く事にした。

更新日:2015-02-07 02:02:35

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