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「大野さん、話があります」

モヤモヤな心の中、講義が終わって声をかけたら、ノロノロと大野さんは俺を見た。
やっと俺を見た大野さんは、寂しそうだった。
罪悪感が俺を襲う。
大野さんを傷つけた俺には、そんな権利がないのに。
人気のない場所に行こうと思って、昨日、女に告白された場所に行った。
ここで始めて大野さんに会ったんだな。
そんなことを思ってると、大野さんが、話って何?って俺を見た。

「大野さん、俺に近づくのやめてもらってもいいですか?本当に迷惑してるんです。初対面で大野さんと、こんな噂になって」

「初対面じゃないよ」

「え?」

「初対面じゃないよ。二宮くんは覚えてないかもしれないけど」

大野さんはじっと俺を見た。

「覚えてない?2年前のK公園。ずっとブランコに乗ってたよね?雨が降ってきても、ずっと」

不意打ちだった。
大野さんが驚いている俺を見て、やっぱり忘れてたんだね、って呟いた。

更新日:2014-09-29 11:37:10

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