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「これ、俺のだから」

は?何言ってんの?この人。

「じゃ、そういうことで」

どういうことだよ。
強引に腕を引かれて、その場から立ち去る俺たち。
呆然とする女。
多分同じぐらい俺も呆然としている。
こいつ、誰なんだよ。
女に告白されてる最中の、俺の前に現れたこいつ。
俺、名前も知らないんだけど。

「ちょっと待てよ」

引かれていた腕を、強引に振りほどいた。

「おまえ」

何から聞いていいかわからない頭を、必死に整理する。

「おまえ、じゃなくて大野智」

「俺のこと、知ってるの?」

「うん。女たらしで有名な二宮和也くん」

女たらしは余計だ。
苦い顔の俺とは対象的に、大野さんはニコニコ笑顔。

「で、その大野さんが、何で邪魔するかな」

「邪魔?」

小首をかしげる仕草が、女よりよっぽど可愛い。
こいつが女だったら、さっきの告白途中で割って入ったのも頷ける。
だがこいつは男だ。
俺と同じくらいの身長で、ちょっと華奢だが、普通に男と認識できるぐらい男だ。

更新日:2014-09-21 22:12:47

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