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ふたつの時間。8
2014年08月16日(土) 23時00分00秒NEW !
テーマ:大まお空想小説




最終アナウンスが聞こえて、僕は

繋いでいたその手をそっと離した。


それでも絡みつく指、そのまま

僕を自分の胸の中に引き込んで

優しく髪にキスをした。



「愛してる…」、彼の言葉が、

頭の上で何度も何度も繰り返し

響いて、僕を優しく包む。





「直ぐに帰るからね…」、



「待ってる…」、



僕達はゆっくりと離れた。
















あの日を思い出しながら、次の段ボールを

開けた僕の目に飛び込んだのは



ギイ・・・・。



入れたはずのない、タクミとギイの写真。


綺麗な写真たてに入って、僕達は微笑んで

いる。




なんで、この写真を選んだのかな・・



写真たてを包んでいたビニールにはポタポタ

と涙が落ちる。









そうだ、この写真を撮った日、

僕達はお互いの気持ちを確かめ合った。




始まりの日。




あの日から僕達はそれぞれの時間の中で

お互いを求め、生きて来た。




これからも、ずっと。





僕達はともに時間を刻む。















”ぴこぴこ”



 ほらね・・・。



何処にいても、僕達は繋がっている。




”お帰り・・だいちゃん・・”



”ただいま・・まお・・”



”どうだったの撮影?・・”



”ああ、順調だったよ・・”







僕達は、いつもと変わらない会話をして、そして

キスを交わす。









いつまでも、



そして、この先もずっと。


















更新日:2014-08-17 23:08:05

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